参院国際経済・外交調査会は12日、「海洋資源、エネルギーの確保など海洋の利活用及び開発の在り方(水産資源の管理と保護)」をテーマに参考人質疑と意見交換を行いました。
水産資源の管理については、昨年、日本経済調査協議会が漁業権の廃止を盛り込んだ「新たな漁業・水産業に関する制度・システムの具体像を示せ」という提言をとりまとめ、全国の漁業者から怒りの声が上がっています。
参考人からの「漁業権に基づく資源管理は古すぎる、時代に合わない」との意見に対し、日本共産党の伊藤岳議員は、国連食糧農業機関の「責任ある漁業のための行動規範」には、小規模、伝統的漁業への特別な配慮の必要性が明記されていることにふれ、参考人の意見は「国際的な流れと矛盾しているのではないか」と指摘しました。
さらに、国連が「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」を採択し、小規模・家族農業への支援を呼びかける「家族農業の10年」も始まっていると紹介。「国際社会は小規模漁業の強化へとかじを切っている」と述べ、国際的な視点からも、大西洋マグロのように資源を毀損(きそん)する大規模な漁業から小規模沿岸漁業を守ることが重要だと主張しました。
【2020年2月16日付け しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】