(写真)質問する伊藤岳議員=20日、参院総務委
インターネット上での誹謗(ひぼう)中傷などの被害を迅速・簡便に救済するプロバイダ責任制限法改正案が20日の参院総務委員会で、全会一致で可決されました。
日本共産党の伊藤岳議員は質疑で、裁判所の決定により発信者情報の開示を行う非訟手続きの創設について、国民への周知とともに、省庁連携による被害者救済の徹底を求めました。
総務省の竹内芳明総合通信基盤局長は「2019年度に東京地裁で受け付けた仮処分件数のうち630件がインターネット関係の発信者情報開示の申し立てで、5年間で2・5倍に増加している」と説明。「法案の非訟手続きでは、書面による審理や電話やテレビ会議も可能」と答えました。
伊藤氏は、非訟手続きが消費者の口コミ等の匿名発信に対する批判的言論を威圧する道具として悪用されてはならないと指摘しました。古川康総務大臣政務官は「発信者情報の開示要件に変更はない」と答弁。武田良太総務相は「インターネットは双方向のメディアで、被害者保護と表現の自由のバランスに配慮しつつ、プロバイダーによる開示を促進する」と述べ、夏ごろに取り組みの効果を検証し、対応を検討すると明らかにしました。
【2021年4月28日付しんぶん赤旗・写真提供=しんぶん赤旗】