(写真)質問する伊藤岳議員=4日、参院総務委
聴覚障害者等の電話利用の円滑化をはかる法律が4日、参院本会議で、全会一致で可決・成立しました。
日本共産党の伊藤岳議員が4日の参院総務委員会で質問に立ち、「聴覚障害者の意見をよく聞き取って生かしてほしい」と求めました。衆院での修正内容について立憲民主党の山花郁夫、日本共産党の本村伸子衆院議員が答弁しました。
同法は、聴覚障害者等と健聴者とを、オペレーターが手話や文字と音声とを通訳して即時双方向につなぎ、緊急通報も含め電話をかける「電話リレーサービス」を公的制度として整備するもの。衆院での修正で総務大臣が国の基本方針を定めるにあたって聴覚障害者等の意見を反映させる措置をとることが明記されました。
本村氏は、障害者の意見の反映が盛り込まれた法律として「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」など4本の法律を紹介しました。山花氏は「国の基本方針作成の早い段階から、聴覚障害者が関与できるようになった」と説明しました。
伊藤氏が障害者の意見を反映させる具体的な措置について聞いたのに対し、高市早苗総務相は「障害者の方や関係者が参加するヒアリングを実施する」と答えました。
伊藤氏は、手話通訳士養成における課題をただしました。厚生労働省の橋本泰宏障害保健福祉部長は「手話通訳士試験合格率向上のため、資格や技能取得研修の実施等に取り組んでいる」と答弁しました。
【2020年6月10日付 しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】