(写真)反対討論に立つ伊藤岳議員=27日、参院本会議
2020年度予算に関連する所得税法等と地方税・地方交付税法等の改定案が27日の参院本会議で、自民党、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決・成立しました。日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は反対しました。
所得税法等改定案の反対討論に立った大門実紀史議員は、巨額の内部留保をため込んでいる大企業にさらに補助金を与えるような同改定案は「現下の経済情勢が求める税制改正に逆行するものだ」と批判しました。
大門氏は、政府が大企業の海外生産を積極的に後押ししてきたことを取り上げ、その結果、産業の空洞化が進み内需の低迷、国内産業が疲弊したと指摘。「中小企業や労働者を大事にした国内重視の生産・産業構造を形成していたら、新型コロナへの経済的な対抗力はもっと蓄積されていた」と追及しました。大門氏は、早急に消費税の5%への減税に踏み出すことや、中小企業支援も含めた国内生産基盤の立て直しを求めました。
地方税・地方交付税法等改定案については伊藤岳議員が討論に立ち、「本法案を含め、政府が今国会に提出したものはコロナ危機を前提としておらず、深刻な状況から住民の健康と暮らしを守る法改正に抜本的に改めて出し直すべきだ」と主張しました。
その上で、安倍内閣は自治体リストラ推進・地方財源抑制路線を進め、「住民福祉の向上を図る」という自治体の役割を果たす力を弱めたと指摘。「(改定案は)こうしたやり方を踏襲したもので、反対だ」と表明しました。
コロナ対応で大きな負担がかかっている保健所の体制強化、感染症指定医療機関をはじめとする地域の公的公立病院の体制強化を主張し、公衆衛生・感染症医療にしっかりとした財政措置を構築するよう求めました。
【2020年3月28日付 しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】