国政報告

地域放送の魅力失う  伊藤氏「改定案は同一化に」

参院総務委

(写真)質問する伊藤岳議員=25日、参院総務委

 日本共産党の伊藤岳議員は25日の参院総務委員会で、放送法改定案によって、複数の放送対象地域で同一番組を放送する制度を導入すれば地域放送の魅力が失われると批判しました。

 伊藤氏は、総務省が3月の省令改定で、基幹放送による表現の自由が多くの者によって享有されるように定める「マスメディア集中排除原則」を緩和したと指摘。松本剛明総務相は「マスメディア集中排除原則の政策手段が、経営の選択肢を狭めかねない」と答弁しました。

 伊藤氏は「資本力を有するキー局が、関係する持株会社を通じて、地域制限なくローカル局を支配下に置くことを可能とする。支配地域の制限撤廃は大きな緩和だ。放送番組同一化の後押しとなる」と批判しました。

 改定案は放送番組同一化について、放送対象地域の地域性を確保するとしています。伊藤氏は「地域性確保措置」を通じた放送番組への介入はないかと質問。総務省の小笠原陽一情報通信局長は「地域の具体的な実情に基づき放送事業者が自主的に判断して定める」と繰り返し答弁しました。

 伊藤氏は「ローカルスポンサーのニーズに応えられない可能性も出てくる。その結果、収益の悪化を招き地域情報発信の量、質が著しく低下する恐れがあるなどローカル局から厳しい意見が出ている」と指摘しました。

【しんぶん赤旗2023年5月27日(土)付 写真=伊藤岳事務所】