参院予算委
日本共産党の伊藤岳議員は23日の参院予算委員会で、放送法の問題を取り上げました。同法は、戦前の大本営発表による虚偽のラジオ放送などの痛切な反省のもと、政府など公権力の介入を禁止するためにつくられたと指摘。2014年以降、安倍政権が放送番組への介入を強めた経過を示し、「放送法に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない」と迫りました。
放送法立法時の網島毅電波監理長官は当時の国会答弁で「政府は放送番組に対する検閲、監督は一切行わない」と説明しています。ところが、14年11月18日に当時の安倍晋三首相は、アベノミクスを批判する街頭インタビューを「(選び方が)おかしい」と批判。同20日には自民党がNHKと民放5局に選挙報道の「公平中立」を文書で要請しました。
伊藤氏はこうした動きの裏で、総務省の行政文書に示されるように首相官邸が放送法の解釈変更を迫っていたと指摘。テレビ朝日に要請文書を送った同26日に、当時の礒崎陽輔首相補佐官が同省に問い合わせるなど「官邸と自民党の働きかけが一致している」と追及しました。岸田文雄首相は「日付は一致している」と認めながら、「放送法の理念は一貫して維持されている」などと述べました。
伊藤氏は、放送法で「放送の不偏不党、真実及び自律を保障する」よう求められているのは、放送事業者ではなく「政府などの公権力だということをしっかりと胸に刻むべきだ」と訴えました。
【しんぶん赤旗2023年3月24日(金)付 写真=伊藤岳事務所】