参院総務委
日本共産党の伊藤岳議員は9日の参院総務委員会で、DV(配偶者、恋人などからの暴力)や虐待等の被害者の個人情報がマイナンバーカードから加害者に知られてしまう“身バレ”問題をただし、「DV等被害は、命の危険にかかわる問題だ」と迫りました。
伊藤氏は、カードを使った政府運営のオンラインサービス「マイナポータル」について、病院・薬局などの利用履歴から「被害者の避難先が加害者に知られてしまう」と指摘。加害者の支配下で暗証番号の把握、代理人設定の登録などがなされていれば「個人情報漏えいの危険性がある」と追及しました。
大串正樹デジタル副大臣は「カード機能の一時停止措置を行うことで情報を閲覧できなくなる」と答弁。伊藤氏が「加害者から逃れて避難先に落ち着くまでの途上で、情報を見られてしまうこともある」とただすと、大串氏は「ご指摘の通りだ」と危険性を認めました。
伊藤氏はさらに、マイナンバーカードを一時停止すれば保険証として利用できず、代わりの「資格確認書」では、医療費の窓口負担が高くなると指摘。「心身ともに傷ついておられる方に、あまりにも冷たい政治だ」と批判しました。
松本剛明総務相は「手続きを円滑に進められるように考える」などと答弁。伊藤氏は「カードの普及ありきで突き進めるやり方は改めるべきだ」と強く訴えました。
【しんぶん赤旗2023年3月10日(金)付け 写真=伊藤岳事務所】