参院国際経済・外交に関する調査会は10日、「海洋資源、エネルギーの確保など海洋の利活用及び開発の在り方(極域をめぐる諸課題への取り組み)」をテーマに参考人質疑を行い、日本共産党の伊藤岳議員が質問しました。
伊藤氏は、温暖化での永久凍土融解によるメタンガスの放出やロシアでの軽油燃料施設の倒壊などをあげ、北極における環境問題の重要性を指摘。極域の環境保全で、日本が国際的に求められる役割について聞きました。
早稲田大学の池島大策教授は「国際的な法的枠組みやガイドライン、指針をつくる時の起案力や交渉力に加え、リーダーシップを発揮しまとめる外交力をもった人材を育てることが必要」と述べました。
国立極地研究所の榎本浩之副所長は「永久凍土の融解で、地下に埋まっていた水銀などの有害物質が海に流出しており、魚を食べる先住民にどういう影響があるか実態を知りたいと日本の水俣会議に意見を聞いたり、情報提供して貢献している。自然科学がわかる行政官が必要だ。国際政治と自然科学の両方の議論に参加できる人材の育成が重要だ」と述べました。
【2021年2月19日付 しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】