医療機関が深刻な経営危機に直面し医療崩壊の危機にあるなか、全日本民主医療機関連合会(民医連)は20日、「憲法でアクション!!ケアこそ未来を切り拓(ひら)く」と題した集会を国会内で開きました。政府に対し、看護師の賃上げや処遇改善、慢性的な人手不足の解消に向けた診療報酬の引き上げと施策強化を要請。全国から約150人の看護師らが参加しました。
「賃金に直結する診療報酬を上げてほしい」と訴えるのは、岐阜市の病院で働く看護師(37)です。医療機関の経営が厳しい状況を聞き、「看護師もギリギリだが、経営に携わる人も本当にギリギリだとわかった。病院がつぶれないか不安になる」と語りました。
公益社団法人福岡医療団の河本真理看護部長は、看護師不足により病床閉鎖に追い込まれ、赤字が深刻な実態を告発しました。「物価が高騰しても診療報酬は上がらない。経営は立ちゆかなくなる」と訴え、実態に見合った診療報酬の引き上げを求めました。
全日本民医連の川上和美副会長は、看護師不足や低賃金で「(現場では)葛藤や苦悩を抱えながらも、患者の命、くらしを守るために奮闘している」と強調。看護師がやりがいや誇りを持って働けることが重要だとし、現場の声に沿う政策の必要性を訴えました。
要請は、▽物価高騰や職員の賃金・処遇改善に適切に対応できるよう、診療報酬の期中改定を行う▽看護職員養成校の運営事業補助金を拡大する▽過剰な経費となっている、人材紹介業者の実態を明らかにする―ことなどを求めています。
日本共産党の小池晃書記局長、倉林明子副委員長、紙智子、伊藤岳各参院議員が参加し、あいさつしました。
【2024年5月21日(水)付 しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】

(写真)ナース・アクション参加者と党国会議員団。(右から)小池書記局長、紙・倉林の両参院議員。左は伊藤参院議員=20日、参院議員会館