議事録
【伊藤岳 参院議員】日本共産党の伊藤岳です。私は、会派を代表し、地方税法及び地方交付税法等改正案への反対討論を行います。
まず、地方税法についてです。
消費税増税と相次ぐ社会保障の負担増、給付削減が国民生活を追い詰め、そこに物価高騰が襲いかかっています。実質賃金は上がらずに、暮らしは底が抜ける寸前です。
今、税制で行うべきことは、消費税減税や課税最低限の引上げなど生計費非課税の徹底であり、大企業向けの研究開発減税の廃止、縮減を始め、富裕層、大企業に応分の負担を求めることです。医療、介護、教育、子育て、年金、生活保護などを抜本的に拡充して、所得の再分配機能を発揮させることこそが求められています。
本法案の目玉である定額減税は、個人住民税を一万円、一回限り行うものです。国民の生活危機を打開するものとは到底言えず、反対です。
また、ACSA協定に基づいてオーストラリア軍などの船舶に自衛隊が行う軽油の譲渡に対する課税免除の特例を三年間延長し、新たに締結する日独ACSA協定に基づいて特例措置の対象にドイツ軍船舶を追加する内容も入っており、反対です。
次に、地方交付税法等の改正案についてです。
第一に、本法案は、地方の一般財源総額を実質同一水準ルールに従って地方交付税の総額を定めており、地方の一般財源を十分に確保しておらず、反対です。地方自治体が住民福祉の向上を図るという役割を果たせるよう、実質同一水準ルールはやめるべきです。
第二に、定額減税による個人住民税の減収分には国費を充てる一方で、所得税の定額減税に伴って生じる地方交付税の減収分は交付税の繰越金と所得税以外の法定率分の増額分で補填するとしています。定額減税に伴う地方の税収減への補填は全額国費で行うべきで、地方の固有財源である地方交付税を使った補填には反対です。
第三に、地域デジタル社会推進費に追加されたマイナンバーカード利活用特別分の継続、デジタルCIO補佐官などの外部人材の任用経費への特別交付税による財政措置の拡充など、マイナンバーカード普及と自治体DXの推進に地方交付税制度を利用するべきではありません。
以上述べて、討論といたします。