議事録

2024年3月21日 地方創生デジタル社会特別委員会(マイナ保険証のスマホ搭載・顔認証マイナカード)

議事録

【伊藤岳 参院議員】 日本共産党の伊藤岳です。

 マイナンバーカードにひも付けられている氏名、住所、生年月日、性別のほかに、顔写真、被保険者情報などをスマートフォンに搭載し、二〇二五年度から活用開始するよう法改正するとしています。これにより、医療機関の窓口でマイナ保険証の代わりにスマートフォンで受付が可能となります。

 浜地厚労副大臣、スマートフォンに搭載されるマイナ保険証は、現在、医療機関、薬局等で設置されているカードリーダーで読み取れますか。

【浜地雅一 厚労副大臣】 今の御質問お答えします。

 まず、前提としまして、このスマートフォンに搭載をされますマイナンバーカードの電子証明書での保険の利用と、保険証の利用ということでございます。

 まず、アンドロイドのスマートフォン端末につきましては、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書の機能を搭載することは昨年の五月から可能になっております。一方で、iOSのスマートフォン端末への搭載につきましては、現在、デジタル庁におきまして実現に向けた検討が進められております。

 その上で、厚生労働省としましては、このスマートフォンの端末による健康保険証の利用が今後可能となるよう検討を進めていることとしております。

【伊藤岳 参院議員】 つまり、現在の機器では現段階ではできないということですね。そうなると、オンライン資格確認システムなどの改修が必要となります。その改修のために新たな費用が発生する、医療機関等にも現在設置しているカードリーダーの改修や交換が求められることになります。

 厚労副大臣、医療機関等のカードリーダーの改修や交換に係る費用、ランニングコストなどはどこの負担となりますか、医療機関の負担になりますか。

【浜地雅一 厚労副大臣】 今委員が御指摘されましたのは、次期マイナンバーカードも含めたこの現在の保険証利用に係る端末についての御質問だというふうに理解をしております。

 まず、基本的には、現在のマイナンバーカード及び次期マイナンバーカードに変わっても、医療機関における顔認証付きカードリーダーの交換は必要ではございません。したがいまして、この交換に伴う費用というものも発生はしてこないものと承知をしております。(発言する者あり)

【伊藤岳 参院議員】 改修の費用は発生しますよね。

 じゃ、こうしたマイナ保険証とスマートフォンの一体化によって医療機関等が新たに負担することになる費用について、見積りはありますか。

【浜地雅一 厚労副大臣】 今、私がお答えをさせていただきましたとおり、この次期マイナンバーカードにおきましても、顔認証付きのカードリーダーの、このハードの方ですね、こちらの方は基本的に変更なく、ソフトウエアの対応で対応できるものというふうに承知をしております。

 したがいまして、この医療機関に対する御負担も過重なものとならないように、今後、デジタル庁とも連携して検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

【伊藤岳 参院議員】 過重かどうかは別としても、負担になるということですね、医療機関のね。それで、今の段階でどれぐらいの負担になるか見通せないということじゃないですか。

 カードリーダーの設置に当たっては、当初のカードリーダーの設置に当たっては、医療機関は、業者との事前のすり合わせだとか、そのカードリーダーの設置の工事のために、臨時の休診など手間が取られました。今回のカードリーダーの改修などに当たっては、同じようなことになりませんか。

【日原知己 厚生労働省大臣官房審議官】 お答え申し上げます。

 今の御指摘、次期マイナンバーカードの際の医療機関等におきますカードリーダーの扱いについてのお尋ねでございますけれども、こちらにつきましては、先ほど副大臣の方から御答弁を申し上げましたとおり、医療機関等における顔認証付きカードリーダーの交換を必要とせず、医療機関等の対応は過重なものとならないよう、今後、デジタル庁とも連携して検討を進めてまいりたいと考えてございます。

【伊藤岳 参院議員】 聞いていることに答えていないです。医療機関が、カードリーダーの改修などによって、業者とのすり合わせだとか休診するだとか、そういう手間はないんですかと聞いたんです。いいです、もう。

 デジタル庁にお聞きします。

 三月十八日に開催された次期個人番号カードタスクフォース、新マイナンバーカードのタスクフォースにおいて最終取りまとめが確認されました。二〇二六年に新マイナンバーカードの導入を目指すということになります。これに伴って、医療機関等にカードリーダーの改修や交換が求められることになるのでしょうか。これは先ほども浜地副大臣が先に答えていただいたんでデジタル庁に聞きませんけれども、デジタル庁の認識、同じでいいですか。同じかどうかだけ。

【河野太郎 デジタル大臣】 そのとおりでございます。

【伊藤岳 参院議員】 じゃ、河野大臣にお聞きします。

 二〇二五年度からのマイナ保険証とスマートフォンの一体化、そして二〇二六年度からの新マイナンバーカードの導入、こうやって次々と利用が開始されようとしています。これでは、医療機関も、患者や国民の側もなかなか追い付いていかないと思うんですが、どうですか。

【河野太郎 デジタル大臣】 新しいカード、これは今のマイナンバーカードと暗号方式が変わるために新カードを導入するわけでございますが、暗号方式が変わったからといって、現在のカードリーダーで顔認証することに何ら変わりはございません。

 それから、スマートフォンにこのマイナンバーカードの電子証明書を搭載をする、これもカードリーダーで、NFCで読み取っていただくわけでございますから特に難しいことはございませんので、次々に新しいサービスができて、マイナンバーカードを持たなくともスマホで病院が受診できる、あるいは、高齢者の医療助成の受給券や子供の小児医療の受給券もスマホに搭載することになればもうスマホ一つでそうしたものもできるようになりますし、診察券も統合することができればもう一つで全部受診をすることができて世の中大変便利になりますので、御心配には当たりません。

【伊藤岳 参院議員】 大臣、私、埼玉、地元の埼玉の医療機関からこういう話聞きました。患者さんが集中する診療時間に各自が利用する別々の資格確認方法ごとに職員がカードの操作の説明だとか時間が取られる、今でもきついのに、さらに、資格確認方法がスマートフォン掲載だとか新カードだとか更に増えていけばもうため息が出ると言っていました。

 今日は資料をお配りしました。御覧いただきたいと思います。

 これ、政府が示している保険証廃止後の患者の資格確認方法を一覧にしたものです。何と、今、現段階で八パターンあるんです。健康保険証、マイナ保険証、暗証番号なしマイナンバーカード、新券面マイナンバーカード、資格確認書、資格情報のお知らせ、資格情報のお知らせスマホ版、被保険者資格申立書のこの八つです。

 大臣、これお認めになりますね、八つのパターンがあると。(発言する者あり)

【長谷川岳 委員長】 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

【長谷川岳 委員長】 速記を起こしてください。

【日原知己 厚生労働省大臣官房審議官】 今御指摘のございました資格確認方法でございますけれども、いただきました一覧の中では、それのみでは資格確認ができないものも入ってございます。そういうことで、資格確認ができるものと資格確認ができないものと両方あるということでございます。

【伊藤岳 参院議員】 ちょっと時間がないので詳しく聞きませんけど、ちょっと認識違うと思うんですが、とにかくパターンがたくさんあるんですよね、資格確認方法。先ほど言ったように、これによって、大臣、医療機関がもう本当にあっぷあっぷの状態だというわけなんですよ。

 大臣、たくさんあるこの患者の資格確認方法の説明などで、ただでさえ忙しい医療機関などの現場のスタッフを更に駆り立てていくことが好ましいことだと考えますか。

【河野太郎 デジタル大臣】 例えば、今の健康保険証は廃止されますから、なくなります。多くの方がマイナ保険証でやっていただくことになると思いますから、特に問題になるとは思っておりませんし、スマホで持ってきてやっていただく方も出るだろうと思います。

 十二月の二日が健康保険証の廃止期日でございますが、保険証は、最大で一年間、廃止後も有効でございます。ただ、いずれなくなりますから、今医療機関には、いずれなくなるので、早いうちにマイナンバーカード保険証で顔認証をしていただければ、もういざ保険証が廃止になったときにみんながそちらに移行していただいていれば、病院にとって何らデメリットは起きませんので、なるべく早くやっていただくことが大事だということをお伝えをしているところでございます。

【伊藤岳 参院議員】 そういったって、医療機関の大多数がこれ反対の声上げていますし、利用率だって上がらないじゃないですか。

 政府は、マイナ保険証の利用率を上げた医療機関等に対する支援金制度つくりました。医療機関に取得、利用を競わせる制度ですね。

 厚労副大臣に聞きます。

 マイナ保険証の取得、利用が進まないのは、医療機関の努力が足りないと言わんばかりの制度じゃないですか。どうですか。

【浜地雅一 厚労副大臣】 今先生御指摘のとおり、令和五年度の補正予算におきまして、医療現場におけるこのマイナンバー、マイナ保険証の利用勧奨の取組に対するインセンティブとなるように、マイナ保険証の利用率の増加量に応じた支援金を交付する事業を現在行わさせていただいております。

 じゃ、なぜこういった利用量に応じた支援金を厚生労働省としてお願いをさせていただくかといいますと、基本的に、やはり、実際に既にマイナ保険証の利用率が高い医療機関等では、窓口におけるマイナ保険証の提示の働きかけ、又は利用方法や、様々メリットはございますが、このメリットの説明などきめ細やかな利用勧奨が行われ、その結果としてそういった医療機関では利用が高いという調査がございます。したがいまして、この窓口においてしっかりと利用勧奨を行っていただくことが保険証の、マイナ保険証の利用促進につながるものと、そういう趣旨で厚生労働省としては今取組を進めているところでございます。

【伊藤岳 参院議員】 だから、私聞いているのは、医療機関の努力が足りないと言わんばかりの制度じゃないかと聞いているんですよ。

 これ、資料をお配りしました。具体的にはこういう形になるんですね。見てください、これ。マイナ保険証の利用率と利用件数の実績でわざわざランクを付けて医療機関に支援金を出すという仕組みじゃないですか。

 こんなやり方でマイナ保険証の取得、利用を競わせるのはやめるべきだと思いますよ。副大臣、どうですか。

【浜地雅一 厚労副大臣】 そもそも、なぜこのマイナ保険証を御利用いただきたいかというところでございます。当然、薬剤情報とか御本人の医療情報等、これがしっかりと連携をされておりますし、又は、窓口負担のこの限度額、これを確実に免除される、そういったメリットがあるのがこのマイナ保険証の利用でございます。ですので、厚生労働省としては、是非国民の皆様方に使っていただきたいというまず前提で取組を進めております。

 ですので、実際に調査をしましたら、窓口で働きかけをしていただいている医療機関について利用がやはり進んでいるということでございますので、そういった利用量に応じた補助をさせていただいていることを御理解いただければと思っております。

【伊藤岳 参院議員】 最後に、顔認証マイナンバーカードについて聞きます。

 顔認証マイナンバーカードは、暗証番号を設定しないため、マイナポータルを利用できません。コンビニ交付などのサービスが利用できません。政府は、国民に対してマイナンバーカードやマイナ保険証のメリットを伝えていくのだと言ってきました。ところが、顔認証マイナンバーカードを使う高齢者の方、施設に入所されている障害者の方、またそれを支えるケアスタッフの皆さんから、カードや暗証番号の管理はとてもできないという声があると、じゃ、こういうカードを使ってくれと、これ政府が宣伝してきたメリットの部分は利用できないじゃないですか。

 河野大臣、これおかしいと思いませんか。メリット享受できないんですよ。

【河野太郎 デジタル大臣】 メリットを享受したければ普通のマイナンバーカードを取っていただければいいだけの話でございまして。要するに、その管理ができないから困るということで顔認証のマイナンバーカードを発行しているわけでございますから、暗証番号を使ってメリットを享受したいという方は普通のマイナンバーカードを取っていただくだけのことでございます。

【伊藤岳 参院議員】 ひどい答弁です、今のは。

 障害者の団体、家平事務局長が、こうした差別的扱いに私たちは怒りを禁じ得ないと言われていました。これ、深く考えるべきだと強く求めて、質問を終わります。