議事録
【伊藤岳 参院議員】 日本共産党の伊藤岳です。
個人情報保護委員会にお聞きします。
十九日に立入検査が開始されました。第三十五条一項に基づき、報告徴収をした上に立入検査を実施した理由は何ですか。
【大槻大輔 個人情報保護委員会事務局審議官】 個人情報保護委員会では、コンビニでの住民票等の誤交付、マイナ保険証のひも付けの誤り、公金受取口座の誤登録などのマイナンバーカード等に係る一連の事案について、マイナンバー等を活用したサービスを利用する国民が不安を抱くきっかけになり得るといった影響範囲の大きさに鑑み、関係する行政機関、地方公共団体、民間事業者等に対する調査を行い詳細な事実関係を把握するとともに、確認された問題点に応じて指導等の権限行使の要否を検討することとしました。
このうち、公金受取口座の誤登録事案においては、デジタル庁から報告徴収に対する報告書を受領した上で、より詳細に実態を把握するために立入検査を行うこととしたものです。
【伊藤岳 参院議員】 河野デジタル大臣にお聞きします。
個人情報保護委員会は、デジタル庁からの各報告書だけでは十分に特定個人情報の取扱状況を把握することができなかったと指摘をしています。個人情報保護委員会は、公金受取口座等の誤登録事案について、デジタル庁、地方公共団体等の安全管理措置、本人確認の措置について、デジタル庁において保有個人情報を共有端末で利用する場合に必要なリスクの検討と対策はできていたのかなどの問題意識、着眼点を持っていたが、デジタル庁の各報告はこれに十分に答えていない。
デジタル庁はこうした問題の整理すらできていなかったのではありませんか。大臣としての責任が重大ではありませんか。
【河野太郎 デジタル大臣】 個人情報保護委員会が求める情報が十分に提供できなかったことは誠に遺憾でございます。今般の検査に当たりまして、委員会の求めに応じて丁寧に対応するよう事務方にも指導しているところでございます。
【伊藤岳 参院議員】 責任どうかって聞いているんですよ。
私は、マイナンバー推進のために個人情報漏えいが許されるような社会であってはならないと思いますし、今まさにそのことが問われていると思います。
我が党は、ひも付け誤りには制度的欠陥があることは明瞭であり、運用停止を、総点検をと求めてきました。また、世論調査でも運用停止を求める声は既に七割を超えています。ところが、システムを運用停止して根本から総点検をしないがために、個人情報が今現在も漏えいし続けております。
個人情報保護委員会は、マイナンバーを含む特定個人情報の扱いや漏えいなど、番号制度に関係する各機関を監視し、指導、助言、勧告、命令などの機能を持つ、マイナンバー法第三十三条では指導及び助言ができるとされ、第三十四条では特定個人情報の取扱いに関して法令の規定に違反する行為が行われた場合において勧告、命令、緊急命令ができる。
今回の一連の事案において、こうした指導、助言、勧告、命令、緊急命令が行われた実績はそれぞれ何件ですか。
【大槻大輔 個人情報保護委員会事務局審議官】 マイナンバー法に基づく個人情報保護委員会の指導、助言につきましては、これまで、公表を開始した平成二十九年度から令和四年度まででございますが、四百三十四件ございます。なお、勧告、命令、緊急命令の実績はございません。
【伊藤岳 参院議員】 勧告、命令の実績ないんですね。
直近の世論調査でも、マイナンバー制度に不安を感じると答えた人は六三%ですよ。この国民の不安の声に個人情報保護委員会は応えるべきではないでしょうか。マイナンバー法の条項を使って、まずは個人情報の漏えいに栓をする、つまりシステムの運用停止の検討をするように求めることが必要ではないかと思います。
その個人情報保護委員会の組織理念ではこう書いています。個人情報が適正に取り扱われることへの信頼の基礎を築き、国民の安心、安全を確保できるようにすると掲げています。
河野大臣、問題のあるシステムをあなたが停止しない中で個人情報が漏えいし続けています。この個人情報保護委員会の組織理念にあるような個人情報が適正に取り扱われることへの信頼の基礎が築かれている、国民の安心、安全が確保されている、そういう認識ですか。
【河野太郎 デジタル大臣】 この度の事案につきましては、個人情報保護委員会の求めに応じて丁寧に対応をいたしてまいりたいと思います。
【伊藤岳 参院議員】 全く答えになっていません。認識を聞いているんですよ。
他人事のように大臣言いますがね、システムの運用停止にはあなたは背を向けるんですか、デジタル大臣として。個人情報の漏えいが放置されてもよしとするんですか。それが岸田政権が進めるデジタル社会だと言われても仕方がないと思いますよ。大臣としての資質が問われていると厳しく指摘をしたいと思います。
次の質問に移ります。
マイナ保険証若しくは資格確認書を申請、取得するという申請主義に大転換することによって、いわゆる無保険扱いとなる国民が大量に生まれてしまう、とんでもない暴挙が今進められています。現行の保険証は残すべきだと思います。
まず、プッシュ型の資格確認書の交付についてお聞きします。
加藤厚労大臣、資格確認書について、申請がなくても交付するプッシュ型も活用をするから全ての被保険者が必要な保険医療を受けられると言いますが、資格確認書については必要とする方全てに漏れなく交付するということですか。
【加藤勝信 厚労大臣】 まず、資格確認書については、マイナンバーカードを紛失した方や取得していない方など、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方に対して申請により保険者が交付する、これを原則としているところであります。
しかし一方で、資格確認書の申請手続の失念等によって、保険料をお支払をしながら保険診療を受けることができない、こういった事態を防ぐ必要があります。そのためにも、様々な、資格確認書への切替えも含めた周知、あるいは代理申請も含めた申請の勧奨などきめ細かな対応、それでもなお資格確認書の申請が期待できないと判断された場合には、本人からの申請によらず、職権で交付するといった柔軟な対応を想定しているところでございます。
その具体的な対応については、今後、保険者の御意見も聞きながら検討していくとしておりますが、例えば、健康保険証としての利用登録がされたマイナンバーカードを保有していない方を把握した上で、職権交付の規定なども踏まえ、その運用を検討し、全ての被保険者が必要な保険医療を受けられるよう適切な対応を図っていきたいと考えております。
【伊藤岳 参院議員】 ですから、これは様々な段階を今大臣が言われたように踏んでいくわけですね。ですから、これでは全ての被保険者が必要な保険医療を受けられるという状態になりません。
具体的に聞きます。
例えば、資格確認書の申請期限が迫ってもなお申請のない被保険者の方がいらっしゃる場合、保険者が、つまり保険組合が、勧奨するなどの手だてを、手段を尽くした上で、それでも申請が期待できないと判断した場合にこれ該当するんですか。職権交付されますか。
【加藤勝信 厚労大臣】 その点は、先ほど申し上げた、具体的な対応は、今後、保険者の御意見も聞きながら検討していくということを申し上げたところでございますので、今お話があったような個々の具体的なケースも想定しながら、どういう対応を取っていくのか、特に委員御指摘のいわゆるこの職権交付の規定をどういうふうに運用していくのか、こういったことについて整理をしていきたいと考えております。
【伊藤岳 参院議員】 もう通常国会から、具体的にこれから検討、これから検討、これから検討、こればっかりじゃないですか。
プッシュ型だと言っても無条件で交付するわけではない、これ今はっきりしたと思います。そして、プッシュ型で交付すると言っても、保険者にそのいろんな判断などの労力を強いることになります。さらに、申請主義であるならば、資格確認書というのは一年更新ですから、一年ごとの資格確認書の更新のときにも保険者や高齢者施設の関係者などにその手続の一端を担わせることになりますよ。
大臣、保険医療を受けられる、全ての人が受けられるようにするためには保険証を残すことが最も確実で一番簡素な方法だと私思いますが、どうですか、認識は。
【加藤勝信 厚労大臣】 委員のおっしゃっている保険証を残すというのは全ての方に保険証を交付するという意味だと思いますが、マイナンバー保険証を活用している方にまで保険証を交付する必要性はないというふうに思っております。(発言する者あり)いやいや、だから、保険証を廃止するというのはそういうことでございまして、そうした中……(発言する者あり)いや、ですからお答えをしている……(発言する者あり)ですからお答えをさせていただいているんですけれども。
したがって、保険証の、資格確認書の交付の在り方については、今、具体的な対応を考える中で、特に健康保険証としての利用登録がされたマイナンバーカードを保有していない方、こうしたことをよく把握をしながら、全ての被保険者の方が保険診療を受けられるような対応が取れるように進めていきたいと考えております。
【伊藤岳 参院議員】 いいですか、私聞いているのは、マイナ保険証を持っている人もいると、そういうことじゃないんです。保険証の現行の仕組みを残しさえすれば、先ほど言った、大臣が言った、いろんな段階を踏んでプッシュ型で交付するかどうか判断すると言いましたけど、そういうこと必要ないでしょう。保険証を残せば、誰でも保険医療が受けられるための最も確実な方法であることは間違いないでしょうと聞いているんですよ。どうですか。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、ですから、保険証を残すという意味について先ほど申し上げたんですが、これまでは健康保険証等は全ての方に交付をするという条文になっているわけでありますので、したがって、マイナンバーカードを持っている方にまで、そして、それで活用されている方まで保険証を交付する必要はないというふうに考えて、そして、しかし、そうでない方、そうした活用されない方にも保険医療を受けていただく必要がありますから、資格確認書について、しっかりとそうした方々にも確認書が交付をされて必要な保険診療が受けられるように努めていくと、こういうふうに申し上げているところであります。
【伊藤岳 参院議員】 何か、大臣、話を複雑にされるんですよ。現行の保険証の仕組みを残せば、誰でも保険医療が受けられるための一番確実な方法じゃないかと、それを聞いているんですよ。これ、誰でも、これは否定できないと思いますよ。
次に、暗証番号なしのマイナンバーカードについて聞きます。
私は、全国保険医団体連合会が実施した高齢者施設へのアンケートを紹介して、利用者、入所者のマイナンバーカードの管理、暗証番号を含むについて、管理できると回答した高齢者施設が僅か六%にすぎなかったという実態を質問いたしました。
松本総務大臣は、四日の会見で、認知症などでマイナンバーカードの暗証番号の管理に不安がある方について、暗証番号の設定が不要なカードを検討しているとの方針を示しました。これは、暗証番号が不要ですからマイナポータルは利用できない、顔認証や目視による本人確認を通じて保険証として利用できるということでした。
松本大臣に聞きます。
これでは現行の保険証以下じゃないですか。暗証番号の設定が不要なカードを新たに作る、これ予算も掛かる、手間も掛かる。そんなことをするなら、現行の保険証を残しさえすれば済む話じゃないですか。どうですか。
【松本剛明 総務大臣】 今御指摘の暗証番号の設定がないマイナンバーカードにつきましては、今年、本年二月に公表されましたマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の中間取りまとめに基づいて、総務省におきまして、マイナンバーカードを円滑に取得していただくための環境整備の具体化に取り組んでいる中で進めてきた、進めているものでございます。
暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードにつきましては、中間取りまとめの、踏まえ、また福祉施設などの御意見もお聞きをいたしまして、認知症などで暗証番号の管理に不安ある方に寄り添って、安心してカードが利用でき、代理交付の際の代理人の負担軽減にもつなげるための方策として検討してきたところでございます。
このカードは、顔認証によって本人確認を行います。暗証番号による本人確認は行われません。その意味で、カードは、保険証としての利用については顔認証によりオンライン資格確認を行うことができます。また、対面での厳格な本人確認を経て交付された顔写真付きの本人確認書類として使うこともできます。今お話がありましたマイナポータルのログインは暗証番号によることになっておりますので、このように、暗証番号の入力が必要なサービスには利用ができないというのはおっしゃるとおりでございます。
こうした取組を進めておりますのも、一人でも多くの方にマイナンバーカードを取得していただいて、ことに意義があるものというふうに考えるところでございまして、取得環境の整備を着実に進めたいと考えております。
【伊藤岳 参院議員】 大臣、質問に答えてくださいよ、長々言われましたけど。
私聞いているのは、現行の保険証を残しさえすれば新たなカードを作る予算も手間も掛からないですよね、現行保険証を残せば済む話ですよね、それ答えていないです。答えてください。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、健康保険証の関係ですから、私の方から答弁させていただきますが。
今大臣から答弁していただいたように、確認ができていますから、したがって、その方の医療情報等は活用することができるということでありますから、より多くの医療情報に基づくより良い医療の提供ができると、そこは保険証と明らかに違うということで……(発言する者あり)予算ですか。(発言する者あり)いや、だから、予算は、それ、新たなカードでその仕組みは必要ですけれども、しかし、それによって今申し上げたメリットのある医療を受けていただくことができるということであります。
【伊藤岳 参院議員】 だから、聞いていることだけ答えてください。だから、予算も手間も掛かると言われました。そうなんですよ。だから、残せばいいんです。
障害を持つ方のマイナンバーカードの取得についてお聞きをしていきたいと思います。
松本大臣に聞きます。
重度の障害を持つ家族を支えている家族の方からの訴えがありました。こういう訴えです。低酸素脳症で寝たきり、言葉を発することができないし、意思表示が難しいという長野県在住の方の父親さんから、マイナンバーカードの作成方法について市役所のサイトからメールで問合せをしたところ、長野県、総務省長野行政監視行政相談センターから次のような返信があったそうです。意思表示ができない青年が個人番号カードの申請、交付を受けるには、成年後見人を立てる必要がある、こういう返信だった。
大臣にお聞きします。
意思表示ができない障害者がマイナンバーカードを作成する際に成年後見人が必要、つまり費用を払って後見人雇いなさい、これ総務省の見解ですか。
【松本剛明 総務大臣】 委員もよく御案内のとおり、マイナンバーカードは御本人の意思により申請していただくものでございます。申請者本人が役所に出向いて、市町村長、職員による本人確認を経て交付を受けることを基本とさせていただいております。
その上で、高齢者や障害のある方など、カードの円滑な取得に支援が必要な方については、出張申請受付や代理交付の仕組みを用意をいたしているところでございます。この際には、介助者、市町村職員により必要な説明をしつつ、申請者本人の意思を丁寧に確認しながら申請や交付を支援いただくことが重要であると考えているところでございます。このため、意思表示が困難な障害をお持ちの方であっても、カードを申請するに当たって意思表示をいただくことができれば成年後見人を必須とすることにはなっていないというところでございます。
総務省としては、マイナンバーカードの取得に支援が必要な方の環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。成年後見人制度に基づいて、意思表示、法的な意思表示を支える仕組みとしてあると理解をしておりまして、意思表示が全くできない場合に成年後見制度に基づいて申請を行うことも考えられるかというふうには申し上げられるかと思います。
マイナンバーカードはあくまで住民の申請に基づいて交付されるものでございまして、このことを改めて申し上げたいというふうに思っております。
【伊藤岳 参院議員】 大臣、質問通告で丁寧にしていますよ。この方、意思表示が難しい方なんです。その方には、今の、大臣、ちょっと、よく何言っているか分からなかったけど、成年後見人が必要だということですか。総務省の見解ですか、それ。もう一度。
【松本剛明 総務大臣】 申しましたように、意思表示が、マイナンバーカードは、意思表示、御本人の意思に基づいて作りますので、意思表示が難しい方についてサポートをさせていただいています。
総務省としては、意思表示ができない方が成年後見人制度を利用することは考えられるというふうに申し上げていることをお伝えさせております。
【伊藤岳 参院議員】 いや、考えられるかどうかじゃなくて、それは、必要だというのは総務省の見解ですかと聞いているんです。それだけ答えてくださいよ。
【松本剛明 総務大臣】 マイナンバーカードは御本人の意思によって申請をしていただきます。意思表示がなければ申請をされたことになりませんので、意思表示ができない、されていない方について、どのようにするかということについて今御答弁をさせていただきました。
【伊藤岳 参院議員】 いや、だから、こんな簡単なこと、答えてくださいよ。成年後見人が必要だというのが見解なのかと聞いているんです。
委員長、ちゃんと答えさせてください。
【松本剛明 総務大臣】 意思表示が困難な方について、円滑に取得いただけるように様々な体制を、支援を設けていることは先ほど申し上げたので、繰り返して全ては申し上げません。
また、マイナンバーカードは、繰り返しになりますけれども、意思表示、御本人の意思表示によって申請するものでございますので、意思表示がない、意思表示ができない方について、法的な意思表示を支える制度である成年後見人制度を利用することは考えられるというふうに申し上げました。
【伊藤岳 参院議員】 委員長、これお願いですけど、明確に答えていません、委員長からも後で指摘いただきたいと思います。
明確に答えてくれないんですけれども、もし、大臣たる方がですよ、成年後見人が必要だと言ったら、これ大変な今発言ですよ。
このお父さん、こう言っています。障害者がカードを作ろうと思えば門前払いするのか、マイナンバー作成から排除するのかと言っています。障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会事務局長、家平悟さん、この委員会に参考人にも来られましたが、成年後見人は、費用面などから障害を持つ方はほとんど選任できない、していない、選任している場合でも家族の貯金を下ろすなどして費用に充てているのが実態だということを言われていました。
皆さん、こういうのが実態なんですよ。そういう中で、大臣は、平然と、成年後見人は考えられる、今大変重大な発言だったと思います。ほかに、これも保険証を存続させれば障害を持つ方にこんな問題を起こさせないんですよ。指摘しておきたいと思います。
次に、資格確認エラーでの無保険扱いについて聞きます。
練馬区在住の七歳になる孫が乳歯が抜けて永久歯が生えて、生え出したために歯科を受診した際に、カードリーダーに入れたら資格確認が、保険資格確認ができないと言われて、十割負担の四千円を請求され支払ったという声が寄せられました。練馬区は十八歳まで無料の子供医療費助成制度がありますが、適用されなかったわけです。マイナ保険証の下で、こういう事態も発生しています。
こうした事態を受けて、厚労省は、十日に発出したマイナンバーカードでオンライン資格確認ができない場合の対応という方針の中で、有効な保険証を発行されていることを前提に、医療機関等において、マイナンバーカードの券面四情報で本人情報を確認し、患者自己負担三割等を受領という対策を示しましたが、大臣、加藤大臣に聞きます。
大臣は、衆議院の閉会中審査でこう言われました。システムトラブルの際、医療費負担三割分はお願いしますが、それ以外の経済的な負担はお願いしないと言われました。
オンライン資格確認ができなかった場合、マイナ保険証の券面だけでは各自治体の子供医療費助成制度は分かりませんね。マイナ保険証の券面で分からない、そういう中で、子供医療費無料化制度が適用されないとか患者自己負担を求められるという事例は絶対に起きないということでいいですか。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、私が申し上げたのは、医療費三割分負担で要するに保険料を納めている方は保険診療いただく、経済的な負担はそれ以上求めないというのは医療機関に対してそれ以上にいろんな経済負担を求めないということを申し上げたところであります。
その上で、今委員御指摘いただいた点についてはしっかり徹底をしていきたい。さらに、自治体が実施している子供医療費助成などの公費負担医療の対象となる患者については、マイナンバーカードで医療機関などを受診しようとしたもののオンライン資格確認を行うことができなかった場合であっても、公費負担について有効な受給者証が提示されていれば、通常どおりその場で自己負担の減免を受けることとしているところでございまして、こうした取扱いについては、審査支払機関、全国知事会、全国市長会、全国町村会、保険者などの関係者とも調整を済ましているところでございます。
【伊藤岳 参院議員】 これは、マイナ保険証に切り替えた方はマイナ保険証一枚で足りるという方多いんですよ。
今大臣言われたように、この自治体の証明書がないと、子供医療費無料の制度がある自治体のお子さんでも三割負担請求されるということがあるということですね。そういうことですね。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、通常でも、保険証とその今言った子供さん用の保険証併せて、その自治体の適用する負担ということになっているわけであります。
今回、その子供さんの医療の話まで今マイナンバーに載せておりませんから、マイナンバーはあくまでもその方の本来の保険料負担、そしてプラスアルファについては各自治体が出されておられるこの保険証、保険証というんですかね、受給者証というんでしょうか、それを提示していただく、こういう仕組みになっているわけですから、仮にマイナンバーカードで出していただいて、それがうまくいかなかったとしても、今申し上げた公費医療については、あっ、まず、いかなかったとしてもその分については本来の医療負担分にする、加えて、公費医療負担分については、その受給者証の提示を受けてそれに沿った対応をすると、こういう整理をしているところでございます。
【伊藤岳 参院議員】 要するに、マイナ保険証一枚じゃ済まないということですね。もし……(発言する者あり)そうでしょう、だって、二枚持ってこいということでしょう。だから、従来どおりと言いますけど、そうじゃないんですよ。
だって、それで、もし自治体の証明書忘れちゃったら、忘れちゃったらですよ、医療機関には各自治体に問い合わせるという負担を背負わせたりだとか、患者さんには申立書を書かせるとかって新たな手間取らせるわけでしょう。医療の効率化と言いながら、トラブル、更に手間取らせるわけですよ。そこで、先ほど言った厚労省の発出の対応には、そういうトラブルを想定して、念のためマイナンバーカードと併せて保険証を持参していただきたい、二枚持ってきてくださいと言い出したんです。結局はそういうことでしょう。
加藤大臣、保険証を残せばいいだけじゃないですか。残しましょうよ。どうですか。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、まずマイナンバーカードに統合しているものはもちろんマイナンバーカードでいきますけれども、統合できていないものは、例えば今言った子供さんのそうした受給者証でありますから、これは通常でも、保険者証と受給者証、二枚持ってきていただかなければ、それは本来の負担にならないわけでありますので、将来的には、そうした子供さんの分も統合できるように、システムは改良していくことによって、できる限り、委員御指摘のように、マイナンバーカード一枚で、これまでは何枚か持たなきゃいけない、保険証ないし診察券まで含めて、一枚で医療が受けられる、こういう体制をしっかりとつくっていきたいというふうに思っております。
【伊藤岳 参院議員】 いろいろ聞いてきましたけれども、本当に保険証を残せばいいだけだと思うんです。
今日、何人も質問されましたけど、萩生田自民党政調会長も、事実上、二〇二四年秋の保険証廃止の方針は撤回すべきだという考えをお示しになり、世耕参議院自民党幹事長も同様の発言をされました。
萩生田さんといえば、二〇二一年の十一月のデジタル臨調でこんな発言していたんですよ。勇気を持って国民皆マイナンバーカードにしていかないといけない。こんなことを言っていた方まで、保険証廃止、これ撤回すべきだと言っているんですよ。
加藤大臣、こうした萩生田氏、世耕氏など自民党幹部の指摘にはあなたは従わない、そういう声は聞かないということですか。
【加藤勝信 厚労大臣】 いや、それが、先ほど申し上げたように、総理からも、ちょっと正確な文章今手元にないから申し訳ありませんが、そうした不安を払拭できる措置、これを完了する、それを前提に保険証の廃止を行うということを言っているわけでありますので、それぞれの議員の発言、個々ちょっと全部を承知しているわけではありませんけれども、そうした趣旨に踏まえてお話をされているものだと。
したがって、しっかりと、国民の安心を、不安を払拭するための措置を実行せよと、こういうお話だというふうに我々は受け止めており、そのために一つ一つ具体的に確実にその措置を実行していきたいというふうに考えております。
【伊藤岳 参院議員】 時間なのでまとめますが、なぜ岸田政権がここまでマイナンバーカード暴走を進めるのか。財界、経済同友会の新浪氏はこう言っています。最終的にマイナンバー活用による応能負担を実現してほしい、個人の資産を把握することも必要だと思う、マイナンバー制度なくして日本の歳出改革はできないと、こう語っています。これ、財界の要望が背景にあるのは間違いないと思います。
財界優先で、社会保障削減、国民負担増に突き進むマイナンバーカード暴走は止めるべきだと訴えて、質問終わります。