議事録

2022年11月24日 総務委員会(松本総務相のパーティー券問題)

議事録

【伊藤岳 参院議員】

日本共産党の伊藤岳です。寺田前大臣は、自らの政治資金規正法や公職選挙法に係る疑惑によって更迭、辞任となりました。ところが、後任の松本新大臣にも政治資金規正法に係る疑惑が出ています。大臣が代表者である松本たけあき後援会が毎年特定パーティーを行っていますが、これが適正なのかどうかという問題です。

 大臣は記者会見で、政治資金規正法の所管大臣として政治家の説明責任の在り方について問われて、適正な処理と透明性ということで説明も含めて政治に対する国民の信頼が得られるように努めていくこと、これはまさに大前提として重要なことと答えられました。さらに、松本たけあき後援会が収容人数を大幅に超えるパーティー券を販売したのではないかという質問に対して、対価を徴収して行われる催物ということでありますので、多めにというよりは、きちっと法の趣旨にのっとって開催させていただいているように、地元ではさせていますと言明されました。

 二〇〇一年閣議決定された大臣等規範では、国民の疑惑を招きかねないような大規模なパーティーの開催自粛が明記をされました。しかし、明確な基準も作らずに、それこそ法の趣旨にのっとって良識の範囲でと繰り返され続けています。大臣が就任早々の会見で言明したことは重いと思います。

 以下、詳しい説明を求めていきたい。

 資料をお配りいたしました。

 松本たけあき後援会が開催した政治資金パーティーで会場収容人数をはるかに超えるパーティー券を販売していたことが、しんぶん赤旗の調べで分かりました。松本たけあき後援会の収支報告書によると、二〇一八年から二〇年、毎年九月に兵庫県姫路市内のホテルで開催されていた政治資金パーティーの収入は、一八年が二千百六十万円、一九年が同じく二千百六十万円、二〇年が千九百八十八万円でした。会費一枚二万円とすると、いずれの年も約千人分のパーティー券の購入があったことになります。

 ところが、会場となった二つのホテルの宴会場の最大収容人数は、立席形式でそれぞれ六百人と四百人です。つまり、パーティー券販売数は会場収容人数をはるかに超えていたわけであります。

 松本大臣にお聞きする。

 大臣が代表者である松本たけあき後援会が二〇一八年から二〇年に開催した政治資金パーティーは、パーティーに参加の予定がない者にパーティー券を購入させていたのではないですか。その場合は寄附に当たりますが、後援会の政治資金収支報告書には寄附としての記載がありません。その場合、政治資金規正法上違法となる、その認識はありますか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 私の、政治資金規正法における政治資金パーティーというのは、繰り返しになりますが、対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動に関し支出することとされているものでございます。

 私の後援会のパーティーでは、御案内で御来臨賜りますようお願い申し上げますと、パーティー券を御参加いただく対価として購入していただいており、おいでいただいた方に対応できるように準備しているところでございます。政治資金規正法の定める政治資金パーティーの法の趣旨を理解し、また、法に定める事項について適切に報告をし、その内容が現在公開されているというふうに承知をいたしております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 私聞いたのは、収容人数をはるかに超えるパーティー券が販売されていたんではないかということ、これ明確に答えられませんでした。大臣が会見で言われた適正な処理と透明性が大前提、もうこれは言葉だけなんでしょうか。これでは寺田大臣と同じことになりますよ。

 山際前経済再生担当大臣が開催した二〇二〇年の政治資金パーティーでは、会場収容人数の一・七倍となるパーティー券を販売していたことについて市民らから政治資金規正法違反の疑いで告発がなされて、横浜地検が受理しています。松本大臣の政治資金パーティーについての適正な処理、透明性が問われるということを認識すべきだと思うんです。

 松本たけあき後援会が毎年九月に開催している政治資金パーティー収入は、後援会の年間収入の約三割以上を占めています。大臣の後援会の活動が特定パーティーの収入に大きく支えられていること自体、政治と行政に対する国民の信頼を確保する観点から問題だと言わなければなりません。

 大臣、当然、毎年参加され、スピーチはされていますよね。

 

【松本剛明 総務大臣】

 今、全てに手元の日程があるわけではありませんが、基本的に、私の後援会のパーティーでは参加をして御挨拶を申し上げているというふうには思いますが、とにかくパーティーは、御案内で御来臨賜りますようお願い申し上げますと、御参加いただく対価としてパーティー券を購入いただいているということ、おいでいただく方に対応できるように準備しているということ、このことをまた国民の皆様にも御理解いただけるように説明をさせていただいているところでございます。

 

【伊藤岳 参院議員】

 質問に当たって既に通告してありますパーティーの開催状況について詳しく、じゃ、説明していただきたいと思います。

 政治資金規正法第二十二条の八には、政治資金パーティーを主催する者は、あらかじめ、そのパーティーの対価を支払する者に対し、その対価の支払が政治資金パーティーの対価の支払である旨を書面により告知しなければならないとあります。

 大臣、この告知は出していますか。そこには会費は幾らと記載をしていますか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 繰り返し申し上げているように、パーティーの御案内には御来臨賜りますようにお願い申し上げますと、パーティー券を御参加いただく対価として購入をさせていただいております。

 その対価、会費の設定の金額についての御質問ということであったかと思いますが、今、伊藤委員の所属される政党の機関紙で指摘をされている三回のパーティーについて申し上げれば、手元で確認をした限りでは、二〇一八年九月が二万円、二〇一九年九月が二万円、二〇二〇年九月が二万円ということで、二万円ということで開催をさせていただいているということは確認をいたしてまいりました。

 

【伊藤岳 参院議員】

 いずれも二万円の会費だったと。

 資料では、二枚目、三枚目、四枚目に松本後援会の政治資金収支報告書の一部をお配りをしてあります。大臣が言ったとおり会費が二万円だとしますと、一八年、一九年のパーティーは千人が、あっ、千八十人がパーティー券を購入しているということになります、政治資金収支報告書によって計算しますとね。二〇年は九百九十四人がパーティー券を購入した計算になるんです。

 では、それぞれのパーティーの参加者、何人ずつでしたか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 今御指摘いただいた三件の政治資金のパーティーにつきましては、政治資金規正法の趣旨に、政治資金規正法にのっとりましてまた運営をするとともに、法の定める事項については報告をしなければいけないということで、事務的にきちっと全て報告をし、それが公開されていると承知をしております。

 具体的には、パーティーの名称、対価に係る収入の金額、対価の支払をした者の数などについて、定められた、法の定められた事項について収支報告書に記載をし、公開、現在されているというふうに理解をいたしております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 大臣、駄目ですよ、通告しているじゃないですか。それぞれのパーティーの参加人数答えてほしいって通告しています。答えてくださいよ。

 法にのっとって報告すべきは報告していると言われますが、パーティー券を何枚販売して、パーティーに参加者が何人だったかということは、大臣自身が言われている対価を徴収して行われる催物の中心問題ですよ。参加人数も示さずに、法の趣旨にのっとって開催させていただいている、誰が信じますか。対価を徴収して行われていたのかどうか、誰が判断できますか。

 もう一度聞きます。参加人数言ってください、通告しているんですから。

 

【松本剛明 総務大臣】

 繰り返しになりますけれども、法の定める事項について事務的にしっかり準備をして報告を用意をして報告し、これが公開をされているということでございまして、お尋ねのありました事項については報告を申し上げられるような形では持ち合わせておりません。

 

【伊藤岳 参院議員】

 会見で述べたことと全然違うじゃないですか。説明が大前提ってあなたは言ったんですよ。

 政治資金規正法第八条の二では、政治資金パーティーは対価を徴収して行われる催物と規定されています。第四条三項では、パーティー券の購入は債務の履行であるとされています。パーティーに参加の予定のない者がパーティー券を購入した場合は、対価とはならずに、政治資金規正法上寄附に当たるとされます。

 大臣、一八年から二〇年の受付名簿、提出してくれますか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 繰り返しになりますが、私どもでは、御来臨賜りますようお願い申し上げますと御案内を申し上げて、パーティー券を参加いただく対価として購入をしていただいております。おいでいただいた方に対応できるように準備をいたしているところでございます。

 なお、今新たにお尋ねの事項につきましても、御報告申し上げられるような形では持ち合わせておりませんというふうに申し上げたいというふうに思います。しっかりと説明をさせていただいておると思っております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 どこがしっかり説明しているんですか。今日聞いたの何も答えていませんよ、大臣。もうこの収入の実態、寄附の実態を隠すんですかね。

 一八年と二〇年のパーティー会場は最大収容人数が六百人、一九年のパーティーは四百人が最大収容人数でした。これ、ホテルのホームページに掲載されています。

 じゃ、パーティー券の購入者は約千人でしたね。六百人、四百人の会場にどうやって押し込めたというか、収容させられたんですか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 パーティー券の購入の、パーティーの名称、対価に係る収入の金額と対価の支払をした者の数については御報告をさせていただいております。

 私どもとしては、それ以上の今御指摘をいただいたことについては御報告申し上げるような形では持ち合わせておりませんが、繰り返しになりますが、パーティーにつきましては、御参加いただく対価としてパーティー券を購入させていただいている、そのことは御来臨賜りますようにお願い申し上げますと御案内で明示をさせていただいており、同時に、おいでいただいた方には対応できるように準備をしているところでございますので、このような形で御理解をいただけるようにしっかり説明をしてまいりたいと思っております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 とにかく何も答えられない。

 パーティーは、じゃ、どのようなものだったんですか。一八年、一九年のパーティーは立食形式の宴会、宴席が設けられていたのだと思いますが、そうですよね。二〇年はコロナ禍の下でセミナー形式だった、そういうパーティーだったということでいいですか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 ちょっとお待ちください。

 改めて。たしか、公開をされている収支報告書を私も確認をしたところ、二〇一八年と二〇一九年の会場への支払は宴席費という形になっていたかと思いますので、二〇一八年と二〇一九年が飲食を伴うものであったことは、そのようなことではあろうというふうに思っております。そこは公開をされた収支報告書から御判断をいただきたいというふうに思っております。(発言する者あり)

 

【松本剛明 総務大臣】

 失礼しました。二〇年はセミナー会場費となっておりますので、セミナーを開催したものというふうに考えます。

 

【伊藤岳 参院議員】

 確かに、政治資金収支報告書を見ますと、一八年、一九年のパーティーは、宴席費が一九年でいいますと三百三十万三千七十円入っていますね。二〇年のパーティーは、宴席費はなく、セミナー会場費、設営費が百三十四万七千二百八十円計上されていました。そのほかに、宴席費はないんですが、記念品代が随分高く、二百二十八万五千円というふうになっています。二〇年のパーティーはコロナ禍での開催でしたので、政府も三密を避けるようにアナウンスをしていましたし、多人数での会食を控えるように呼びかけていた時期です。政治資金収支報告書にも、アクリル板を買ったとか、自動手指消毒機器も購入したと記載がありました。

 会場のホテルのホームページを見ますと、セミナー形式で使った場合、ソーシャルディスタンスで百十人が最大収容人数とされているんですよ。コロナ禍の下で、二〇年のパーティーの参加者は、一九年、一八年のパーティーよりも参加者抑えられたんではないですか。当然、セミナー開催なので、立ち形式じゃなくて座った形式だったんじゃないですか。どうですか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 何人お越しになられたかというのは、先ほどの参加人数の御質問と同じかというふうに思いますが、繰り返しになりますけれども、私ども、法で定める事項については全て報告をさせていただいておりまして、今お尋ねいただいたような事項については報告できるような形では持ち合わせておりません。

 

【伊藤岳 参院議員】

 このホテルが言っている最大収容人数百十人というのは守ったんですね。守られたんですか、守らなかったんですか、それだけ言ってください。

 

【松本剛明 総務大臣】

 政治資金パーティーについて申し上げられることは、法の定める事項で報告を申し上げている事項について今御報告を申し上げたとおりでございまして、今御指摘をされた事項について今報告できるような形では持ち合わせていないという形の御説明を申し上げることになります。

 

【伊藤岳 参院議員】

 もうとにかくあきれるばかりですが、何も答えられないので。

 もしですよ、コロナ禍だけども従前のように大人数を集めたというんであれば、それはそれで問題です。

 もし、その百十人というふうに抑えていたんだったら、何で九百九十四枚もパーティー券を販売したのか疑問が残りますね。大半が参加していない、パーティー券の購入者が。これ、対価の徴収が行われたという実態はないじゃないですか。これ、寄附に当たると思います。

 二〇年のパーティーの宴席費はなかった。その代わり、一八年が四十三万円、一九年は三十二万円だった記念品代が、この年は二百二十八万円の記念品代が計上されています。株式会社大和生研から買ったとなっていますが、この記念品というのはどういうもので、単価はどれぐらいのものなんでしょうか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 まず、パーティーについては、繰り返しになりますが、私どもとしては、御来臨賜りますようお願い申し上げますといって申し上げまして、御案内をいたしまして、パーティー券を御参加いただく対価として購入をしていただいている。おいでいただいた方にはしっかり対応できるように準備をしてまいりました。ただし、欠席される方がいらっしゃったことは事実であります。

 その上で、今、記念品費の内容でございますが、これにつきましては、私どもとしては、報告すべきことは購入先、そして金額だというふうに承知をしておりますので、先ほど収支報告書で申し上げたとおり報告をさせていただいたところでございますので、これにつきまして政治活動の報告として御理解をいただくようにお願いをしたいと思います。

 

【伊藤岳 参院議員】

 大臣、本当に何も答えられないんですね。疑われているのはあなたですよ。私が悪いみたいですよ、これじゃ。何にも答えられない。

 とにかく、対価の徴収、対価の徴収って答えられる、言われ続けるけれども、一体パーティー券を購入したうち何人が参加したのか、果たして、対価として渡した記念品がどういうものなのかと分からなかったら、これ法にのっとって適正って判断できませんよ。

 政治資金規正法の逐条解説にはこう書いています。債務の履行としてなされるもの以外は全て寄附となる。例えば、政治資金パーティー券の購入代は通常はパーティー出席のための対価と考えられるが、その代金が社会通念上の対価を超えるものである場合は、当該超える部分は寄附として取り扱われることになると説明しています。

 大臣、大臣が主催した、後援会が主催した政治資金パーティー券購入の実態が、このパーティー参加のための対価の支払だった、債務の履行だった、寄附ではなかった、言えますか。

 

【松本剛明 総務大臣】

 政治資金規正法上の寄附とは、「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。」とされております。

 また、政治資金パーティーに係る収入については、政治資金規正法上、当該パーティーへの参加の対価として支払われるものであるので、政治団体の事業収入として位置付けられているものであり、寄附とは性質が異なるものと解されているということでございます。

 政治資金パーティーのパーティー券の購入代は通常はパーティーへ参加の対価と考えられ、御指摘のような個別の事案について、具体的にこの逐条解説でお話が、を引用されましたけれども、個別の事案については、具体の事実について即して判断をされるというふうに思っております。

 私は、繰り返しになりますが、後援会のパーティーは御参加をお願いをさせていただいて、御参加をいただく対価としてお支払をお願いをし、おいでいただいた方に対して対応できるように準備をさせていただいてありました。

 また、私の後援会におきましては、寄附は寄附として適正に収支報告書に記載をさせていただいて、これは報告書として公開をされているというふうに理解をいたしております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 繰り返し言いますが、参加のための対価の支払だったというんであれば、パーティー券を何枚購入して何人が参加したのか、そんなことも示せなかったら、適法だ適法だって、大臣、口で言ったって判断できませんよ。

 政治資金規正法第九条では、政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係る次に掲げる事項を記載しなければならないとして、パーティーの対価を払った者の氏名、住所、職業、金額、日時を記載する義務がある、あっせんを受けて支払った者の氏名、住所、職業、金額等を記載する義務があると明記されていて、これ、違反した場合は、不記載罪、虚偽記載罪に問われることになります。

 大臣、当然この会計帳簿は備えてありますよね。これ、提出してください。

 

【松本剛明 総務大臣】

 政治資金の取扱いについては、政治資金規正法の趣旨にのっとりしっかりと行わせていただき、報告し公開されるものについても法の趣旨にのっとって適切に行わせていただいております。

 その意味で、先ほども、パーティーにつきましては、対価の総額など報告すべき事項について全てきちっと報告をし、させていただいておりまして、皆様に御報告すべきことは全て報告をしっかりさせていただいているというふうに私は認識をしております。

 

【伊藤岳 参院議員】

 説明が大前提と言われたけれども、これでは寺田前大臣と同じです。説明できないならば、あなたも総務大臣の資質が根本から問われることになると思います。

 委員長にお願いです。松本後援会が開催した政治資金パーティーの受付簿、記念品代についての詳細、後援会の会計帳簿の当委員会への提出をお取り計らい願いたい。

 

【河野義博】

 後刻理事会で協議いたします。

 

【伊藤岳 参院議員】

 終わります。