地方自治法改定案 参院審議入り
政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば地方自治体に指示ができる「指示権」の枠組みを新たに導入する地方自治法改定案が5日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の伊藤岳議員は「『指示権』は憲法が保障する地方自治を乱暴に踏みにじるものだ」と批判しました。
伊藤氏は、政府は「個別法で想定されていない事態」の対応のための改定だとしているが、衆院総務委員会の参考人質疑で出された「個別法の規定で想定できない事態であれば、地方自治法という一般法でも想定できるはずがない。その事態に対する権限を一般的・抽象的に行政権に授権することは『白紙委任』だ」との指摘をどう受け止めるのかと質問。松本剛明総務相は「限定的な要件と適正な手続きを定めており、白紙委任との指摘は当たらない」などと強弁しました。
伊藤氏は、衆院の審議で政府は事態対処法のような有事立法で想定を超える事態についても改定案による「指示権」行使の対象として除外されないと答弁したと指摘。「武力攻撃事態や重要影響事態、存立危機事態などで想定されていない事態が生じたとして、国が自治体に指示権を行使することが可能になる」と追及しました。
伊藤氏は、政府が沖縄で民意を踏みにじって知事の権限を奪う「代執行」にまで踏み切り辺野古米軍新基地建設を強行していると批判し、「改定案により、さらに強権的に新基地建設が進められるとの不安が広がるのは当然だ」と強調しました。
【2024年6月6日(木)付しんぶん赤旗・写真=赤旗写真部】