デジタル社会形成基本法等改定案が15日の参院本会議で審議されました。日本共産党の伊藤岳議員は、岸田政権がマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用率にかかわらず、12月から現行の健康保険証の発行を終了するとしたことに「国民の不安をあおり、マイナ保険証の利用を迫るのはやめるべきだ」と批判しました。
河野太郎デジタル相がマイナ保険証の利用を受け付けていないなどの医療機関があれば専用窓口に連絡するよう呼び掛ける文書を配布したことについて、伊藤氏は「密告を勧めるつもりか。マイナ保険証の利用を強要する保険証廃止は撤回すべきだ」と求めました。
改定案は、個人の特定が可能な機微情報であるため、マイナンバーカードにしか記載されていない氏名、住所、生年月日、性別の4情報と顔写真をスマートフォンに搭載する仕組みを設けます。
伊藤氏は「スマホの紛失や盗難などを通じてマイナカードの搭載情報が他人にわたる危険性が各段に高くなり、詐欺の標的にもなる危険をはらむ」ほか、スマホを乗っ取る詐欺が相次いでおり、いたちごっこになる危険があると指摘。デジタル化に伴う消費者保護について自見英子消費者担当相は「重要な課題と捉え、注意喚起を進める」と答弁しました。
伊藤氏は、自治体情報システム標準化では自治体の財政負担が大きくなっていると指摘。デジタル基盤改革支援補助金の上限撤廃と延長を求めたのに対し、松本剛明総務相は「自治体の意見も踏まえながら対応を検討する」と答えました。
【2024年5月17日(金)付け しんぶん赤旗・写真=赤旗写真部】