国政報告

タクシー運転手の処遇改善を 参院国交委で質問

(写真)国土交通大臣(右から2人目)に質問する伊藤議員=2日、参院国交委

 

 日本共産党の伊藤岳議員は2日の参院国土交通委員会で、タクシー運転手の処遇改善と自家用車活用事業(日本版ライドシェア)について質問しました。

 自家用車活用事業はタクシー事業者の管理下で、自家用車や一般ドライバーによって有償の運送サービスを可能とする制度で4月1日に開始されました。

 伊藤氏は「東京都江戸川区の飛鳥交通第六事業所では賃金改定により、カード決済手数料を運転手が払う制度が廃止されたが、実際の営業収入からカード決済手数料相当にあたる5%を減額し、営業収入とし賃下げが生じている」と指摘し、実態調査を求めました。斉藤鉄夫国交相は、もし事実であれば重大な問題だと答弁しました。

 また、伊藤氏は自家用車活用事業として契約する運転手の健康チェックなどはどう行うか質問。鶴田浩久物流・自動車局長は「道路運送法78条3号で、タクシー事業者に対して自家用車ドライバーの他業務での勤務時間を把握することや点呼、指導監督、研修体制の確立を定めている」と答弁しました。

 さらに伊藤氏は「デジタル行財政改革会議」で議論している「タクシー会社以外の事業者によるライドシェア事業に係る法整備」を国交省も認めるのかと質問。斉藤国交相は「6月に向けて議論することとしており、決まった方針はない」と答弁しました。

 伊藤氏はタクシー事業者が管理・安全を担保する仕組みを外して他の事業者にドライバーの管理や運行を任せるのは危険だと指摘しました。

【2024年4月5日(金)付 しんぶん赤旗】