日本共産党の伊藤岳議員は22日の参院総務委員会で、暗証番号の設定不要な「顔認証マイナンバーカード」(顔認証カード)の交付数をただしました。総務省は2月末で9313件だったと明らかにしました。
顔認証カードは、暗証番号の管理に不安がある高齢者や障害者などに向け「健康保険証としての利用」などに用途を限定し、昨年12月から希望者に交付しています。
政府が保険証廃止の期限とする今年12月が迫るなか、伊藤氏は「『無保険』状態は絶対につくり出してはならない」と強調。顔認証カードの取得目標をただすと、総務省の山野謙自治行政局長は「目標値を持って取得してもらうことはしておりません」と答えました。
伊藤氏は「顔認証マイナカードでは利便性から排除される人が出る」と指摘。松本剛明総務相は「このような特性があることは説明している」と強弁しました。
伊藤氏は、学校行事などの際の被保険者資格の確認に関する事務連絡(※)によれば、現行の生徒が持参する保険証のコピーから、今後はマイナポータルからの事前の印刷が必要になると指摘。
顔認証カードではマイナポータルを使えず印刷できないとして「顔認証マイナカードを利用する生徒が制限、区別された扱いを受ける。大臣は安心して利用してもらうため環境整備を着実にすると言ったではないか」と批判しました。
※3月1日付け厚生労働省事務連絡「健康保険証の廃止に伴う修学旅行等の学校行事や部活動の合宿・遠征等における児童生徒本人の被保険者資格の確認方法について」
【2024年3月24日(日)付 しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】