参院予算委
日本共産党の伊藤岳議員は7日の参院予算委員会で、地域住民の生活の足である乗り合いバス路線の完全廃止・撤退が進行し、都市部も含めて地域公共交通が崩壊の危機に直面しているとして、バス運転手の賃金・処遇改善やバス路線に対する予算増額を求めました。
乗り合いバス路線の完全廃止・撤退の状況について、国土交通省の石原大・公共交通政策審議官は2009年から22年まで計1万8786キロ、首都圏では22年度313キロ、23年度512キロだと明らかにしました。
「全国で地球半周分もの廃止、撤退だ。首都圏でも顕著で新しい段階に至っている」と指摘する伊藤氏に、斉藤鉄夫国交相は「運転手不足」と答弁。伊藤氏は乗り合いバス運転手が12年度8万2634人から21年度に7万4340人と大きく減少していると指摘しました。
さらに伊藤氏の質問に対し、石原審議官は22年の労働時間が全産業平均2124時間に対しバス運転手は2316時間、年間賃金が全産業平均497万円に対し運転手は399万円と答弁しました。
伊藤氏は「バス運転手は長時間労働で、賃金は大きく落ち込んでいる」と指摘。斉藤国交相は「全産業平均にまで至っていない」と認めました。伊藤氏は処遇改善を求めました。
地域内の乗り合いバス路線の赤字分の2分の1が対象経費となる「地域内フィーダー系統補助」の執行額は地方自治体からの申請額の半分にも満たない状況です。「足りない分は特別交付税を措置している」と強弁する斉藤国交相に、伊藤氏は「地方交付税は地方の固有財源」であり、地方に負担を生じさせると追及。「不足するのであれば、増額するべきだ」と求めました。斉藤国交相は「予算増額も含め今後議論する」と答弁しました。
【2024年3月8日(金)付しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】