国政報告

圧力は明白 統一見解撤回を 放送法解釈変更 伊藤氏が追及

参院予算委

(写真)質問する伊藤岳議員=8日、参院予算委

 日本共産党の伊藤岳議員は8日の参院予算委員会で、放送法の「政治的公平」の解釈をめぐり、首相官邸が総務省に政治的圧力をかけた経過を記した行政文書について、事実の徹底究明と、解釈変更後に発表した政府統一見解の撤回を迫りました。(高市氏に辞職迫る)

 放送法の政治的公平は、「放送事業者の番組全体を見て」判断するのが従来の政府解釈でした。文書には、2014~15年に当時の礒崎陽輔首相補佐官が、同省に法解釈の変更を迫る詳細なやりとりが記されています。

 さらに、当時の高市早苗総務相が15年3月6日に「答弁は準備します」と礒崎氏に一度伝えていると記述しています。同年5月に高市氏が「一つの番組のみでも」判断できると解釈を変更する答弁を行い、16年に正式な政府統一見解として発表されました。

 伊藤氏は「政府が一つひとつの番組内容に白黒つけることはすべきでない。放送法の基本中の基本だ」と指摘。問題の統一見解は解釈変更ではないかとただしました。

 松本剛明総務相は「解釈変更ではない」と繰り返し答弁。伊藤氏は、行政文書では当時の山田真貴子首相秘書官が「放送法の根幹にかかわる」「法改正となる話ではないのか」と発言していると指摘。一連の経緯がなければ「統一見解はなかったはず。政治的圧力によってつくられたことは明白だ」として、重ねて撤回を求めました。

 松本総務相は「従来の解釈に補充的な説明を加えたものと考えている。撤回をするといったものではない」と強弁。伊藤氏は、「放送法を所管する総務省が問われている。徹底解明が必要だ」として礒崎氏ら関係者の証人喚問を求めました。

【しんぶん赤旗2023年3月9日付け 写真=赤旗国会取材団】