【伊藤岳参議院議員】
日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法等の改正案に対する反対討論を行います。
討論に入る前に、総務省接待問題についてです。総務省の幹部官僚や大臣、副大臣、政務官に対する高額な接待が繰り返され、行政がゆがめられたのではないかという疑念は国会審議を通じてますます深まり、総務行政そのものに対する国民の信頼が大きく揺らいでいることは重大です。一連の問題は放置できません。事実の徹底解明と真相の究明に向け、国会がその役割を果たしていくことが必要です。
改正案に対する反対理由です。法案は、財源不足の穴埋めのために地方に一・七兆円もの臨時財政対策債の発行を迫るものです。新型コロナは、これまでの地方行財政の在り方を根本から見直すことを求めています。一般財源総額の実質同水準ルールはやめて、地域の公共衛生体制、医療体制を確立するための財政需要や社会保障関係費の自然増分を地方財政計画に反映し、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げて地方が必要とする一般財源総額を確保することが必要です。そのために国は責任を果たすべきで、地方債の特例発行に頼るやり方には反対です。
新型コロナの下、貧困と格差が広がっています。地方税でも、生計費非課税、所得の再分配機能を高めることが求められています。しかしながら、地方税法の改正内容はこれに応えるものとはなっていません。地方税の見直しとともに、消費税五%の減税こそ直ちに行うべきであります。
最後に、デジタル庁の設置、行政のデジタル化についてです。業務システムの標準化やクラウド移行によって、システムに自治体の仕事内容を合わせることが目的となり、自治体独自のサービスが抑制、後退されることになりかねません。住民自治、団体自治の侵害という点からも大きな問題があります。また、デジタル化、オンライン化ありきでは、行政サービスへの入口が遠くなり、個人情報保護が置き去りにされるおそれは拭えません。こうした問題を持つ自治体行政のデジタル化を支える財政措置には賛成できません。
以上を述べて、討論とします。