議事録

2020年6月5日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(公職選挙法の一部改正案の反対討論)

【伊藤岳参議院議員】

 日本共産党の伊藤岳です。党を代表して、公職選挙法改正案に反対の討論を行います。

 本案は、全国町村議会議長会が、議員のなり手不足の解消、多様な人材の議会参加促進などを理由に求めてきた町村議会議員選挙の選挙公営の拡大について、選挙用の自動車、選挙用ポスター、選挙用ビラを各自治体の条例により公費負担することを可能にするとともに、選挙公営と供託金はセットだとして、町村議選にはこれまでなかった供託金を導入するものです。

 日本の選挙供託金制度は、国政選挙、首長選挙で数百万円、地方議員でも数十万円と、世界でも異常に高く、自由な立候補を制約する極めて非民主的な制度です。供託金制度の趣旨として、真に当選する意思のない候補者の乱立を防止するためとの説明がされますが、実際は、金がなければ立候補できないハードルとなっています。

 本案において町村議選にも供託金制度を拡大する措置は、提案理由にある多様な人材の議会参加、立候補に係る環境改善に資するどころか、逆に反するものであり、認められません。

 また、新たに供託金を導入拡大する理由について、候補者乱立の懸念を示す事実もなく、その必要性も合理性もないことが明らかになりました。質疑では、選挙公営と供託金は従来から関連して議論されてきたとされましたが、なぜ両制度がセットで実施されなければならないのか、道理ある明確な説明はありませんでした。現行でも町村議選の選挙はがきの郵送は選挙公営で行われているのですから、供託金が選挙公営の前提条件であるかのような議論も成り立たないと思います。

 さらには、本案の選挙公営の拡大は条例制定により実施されますが、供託金は十五万円の納付が全国一律に義務化されます。町村によっては、供託金は導入されても選挙公営はなしということが起こり得ます。この矛盾を見過ごすこともできません。

 最後に、全国町村議長会は、なり手不足の解消、選挙の活性化と自由化を図るために、被選挙権の引下げ、戸別訪問の解禁も要望しています。こうしたこととともに、文書図画の規制の自由化、立会演説会の復活、選挙運動期間の見直し、供託金引下げなど、国民、有権者が主体的に選挙、政治に関わりやすくするため、複雑な現行法の抜本的な見直しを求めて、反対討論を終わります。