議事録

2020年5月29日 政府開発援助等に関する特別委員会(医療重視のODA予算)

【伊藤岳議員】

 日本共産党の伊藤岳です。ブラジルやアフリカなどでの新型コロナ感染拡大が報じられています。先ほど梅村議員も言われましたが、私は特に最貧国が多いアフリカでの感染拡大を心配し、注目をしています。日経新聞四月十六日付けは、「コロナ、アフリカで急拡大」と報じ、アフリカで人口千人当たりの病床数は一・八床で、OECD加盟国平均の半分以下、アフリカで感染が爆発的に増えれば、アフリカから欧米やアジアに逆流するおそれもあると書きました。WHOテドロス事務局長もアフリカで増加傾向にあることに懸念を表明され、毎日新聞はとうとう十万人突破と報じました。

 今、アフリカでのコロナ急拡大を抑え込まなければ、やがて日本に重大な影響を及ぼすこととなる。アフリカでのコロナ感染防止支援は、日本でのコロナ感染防止、感染拡大防止策でもあるという立場に立つべきではないかと思います。

そこで、大臣、アフリカでのコロナ急拡大を抑え込むことの重要性についてどう認識をされておりますでしょうか。

 

【茂木敏充外務大臣】

 まず、新型コロナの感染の世界的な拡大状況でありますが、中国で発生し、それがイタリアを始めヨーロッパで拡大をする。私、毎日、各国のデータ、感染者数、死亡者数、そしてまた治られた方と、こういうのを見ておりますけれど、ヨーロッパの方はかなり収まりつつある状況というのが続いている中で、今顕著に数字が跳ね上がっているのはやっぱり中南米だろうと思います。昨日もブラジルは過去最高を記録するという形でありまして、その前日より六千人増える、こういう状況でありますし、ペルーそしてチリを始め中南米の拡大というのは非常に今顕著だと。同時に、インド、バングラデシュ、パキスタン、こういった南部アジア地域、これも高い値が続いている。さらには中東と。そして、御指摘のアフリカにつきましても、昨日現在で感染者数十二万人、そしてまた死者数が三千五百名を超えておりまして、今後も感染の拡大続くおそれがあると、このように承知をしております。

 先ほどもお答えしたところでありますが、我が国は保健医療分野をTICADでも重要分野の一つと位置付けて、アフリカにおけます感染症への対策の強化であったりとか、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの促進に向けた人材育成、制度構築を含めて様々な取組、長年にわたって進めてきたところでありますし、昨年のTICAD7におきましても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの拡大に向けた支援やヘルスケア分野における協力深化と民間事業振興のためのアフリカ健康構想、御指摘のですね、これを打ち出したところであります。

 そして、今回の新型コロナということでありますが、アフリカを含みます保健医療システムが脆弱な国への支援は国際社会の大きな課題でありまして、三月二十五日にもG7の外相会談、テレビ会議形式でやったわけでありますが、私の方からこの点提起をさせていただきまして、G7各国の外相と認識を共有したところであります。今、令和元年度の本予算、そして一次補正、この緊急経済対策の中でも、アフリカを含みます保健医療システムが脆弱な途上国への支援策と、こういったものを盛り込んでおりまして、速やかにしっかりと執行してまいりたいと考えております。

 

【伊藤岳議員】

 アフリカなどで活動に取り組んでおられるセーブ・ザ・チルドレンから、新型コロナウイルス感染症対応のためのODAの拡充を求める要望書、私も受け取りました。大変示唆に富んだ提案が多いと思いました。国連は三月に二十億ドルの世界的途上国支援計画を始めました。その後編成された補正予算で、保健医療の国際機関への資金拠出三百三十五億円が組まれました。そのうち、ワクチン接種の開発途上国における促進で役割を担っているGaviへ五十五億円が組まれました。セーブ・ザ・チルドレンの要望書でもGaviへの拠出金追加を行うことを求めていますが、国連もその後、五月に支援計画を六十七億ドル、三倍以上に増やしました。

 先ほど、松川議員の質問の答弁で六月に増資会合という話もありましたが、外務省、Gaviへの追加の拠出金、二次補正では組まれませんでしたが、今後、国連計画の、国連の計画増に見合う追加を行う予定ですか。

 

【塚田玉樹政府参考人】

 令和二年度の第二次補正予算にはGaviワクチンアライアンスへの拠出は含まれておりません。一方で、我が国は近年、ワクチン事業、特にGaviへの拠出というのを増やしてきておりまして、昨年八月には、TICAD7の際に準備会合、増資の準備会合を開催する等、関与を強めてきているところでございます。

 Gaviは、途上国に迅速かつ大規模にワクチンを供給する感染症予防の観点から非常に重要な役割を担うというふうに考えておりまして、国民を守るという観点からも重要であるというふうに考えております。こうした重要性に鑑みまして、引き続き、日本政府としてこの分野にはしっかり関与していきたいというふうに考えております。

 

【伊藤岳議員】

 是非、国連計画に見合う増額を検討しておいてほしいと思います。

 アメリカは、WHOへの資金拠出を渋るなど、国際的協調に背を向けています。大臣、日本が新型コロナウイルス感染症対応の国際的支援で先陣を切るという決意ならば、アメリカに対しても、共に国際的支援を行おう、ワクチンの均衡な供給のために拠出をしようと働きかけるべきではないでしょうか。パンデミックの収束に向けて国際社会の協力を図るための外交的イニシアチブを発揮するべきだと思いますが、いかがですか。

 

【茂木敏充外務大臣】

 アメリカが今、新型コロナを収束をさせる、また世界的な拡大を防ぐために国際協力をしないと言っているとは全く承知をいたしておりません。

 もちろん、今、どういった形でこの新型コロナに対応していくかと、国際協力の在り方については様々な意見もあるところでありますし、先ほど申し上げましたが、WHOについても、その初動対応であったりとか中立性の問題等について、アメリカの意見も含めいろんな意見があると考えておりまして、大切なことというは、専門的知見を有するWHOが適切に機能する、同時に、国際社会が、一国だけで対応できる問題ではありませんから、しっかり連携する、こういう環境を整えることなんではないかなと思っております。

 そういった観点からも、WHOの検証、公平で独立した包括的な検証というのは私は必要不可欠だと思っておりますし、また、そのことがWHOに対する各国の信認、これを高めることにもつながっていくんではないかなと。こういった観点から、各国、また国際機関と我が国としてもしっかりと連携をしていきたいと思っております。

 

【伊藤岳議員】

 パンデミックの収束に向けて国際社会が一致して当たるという点で、是非イニシアチブを発揮していただきたいと思います。セーブ・ザ・チルドレンの要望書の中には、GPE、ECWなど教育の国際機関への基金の拠出も求めています。教育の格差是正は、世界中の子供たちに教育権を保障するために欠かせない観点ですし、また開発途上国で将来の保健医療を担う人材を育てることなどにもつながります。

 外務省、教育の国際機関への基金の今後の拠出は検討されていますか。

 

【塚田玉樹政府参考人】

 お答えいたします。教育分野における今後の方針でございますが、まず御指摘のGPEにつきましては、途上国の教育を支援する枠組み、国際的な枠組みということで、日本の教育支援の方向性とも一致していると考えておりまして、GPEに対してはこれまでも拠出してきておりますし、今後も連携していきたいというふうに考えております。

 一方、ECWの方でございますが、これは緊急時、紛争下の教育支援のための基金というふうに承知しておりまして、日本はこれまで拠出してきておりませんが、緊急事態下の教育支援そのものにつきましては、ユニセフあるいはGPAを通じて実施してきているところでございます。

 御指摘のとおり、教育分野の支援というのは、SDGsの達成、そして今回の新型コロナウイルス感染症のような感染症対策の観点からも極めて重要な分野であるというふうに認識しておりますので、各機関の特性を踏まえながら効果的な支援を実施していきたいというふうに考えております。

 

【伊藤岳議員】

 二国間、多国間を経由する支援に加えて、最も手の届きにくい人々に直接緊急支援を行っているNGOへの資金面の支援拡充も重要だと思います。NGOは、開発途上国で手洗いの大切さを現地で教育的に支援するなど、保健衛生面でのコミュニティー支援をしています。資金面の支援だけではコロナ拡大は抑え込めません。

 外務省、一次、二次の補正予算では、NGO支援が組まれなかった、これはなぜですか。NGOの果たしている役割をどう認識されていますか。

 

【鈴木秀生政府参考人】

 委員御指摘のNGOからの要望については外務省としてもしっかり把握しておりまして、多くの我が国のNGOが新型コロナ対応のために様々な支援活動を検討していただいているところと高く評価をしております。この新型コロナ対策については、やっぱりNGOとの連携、NGOによる支援、これ大変重要でございまして、現地の支援ニーズにきめ細かく対応することが可能であり、なかなか政府や国際機関による支援では手の届きにくい、草の根レベルの効果的な支援が可能であると、そのように考えております。したがいまして、外務省としては、こうした活動をしっかり支援していきたいと考えております。

 まずは、日本NGO連携無償資金協力及びジャパン・プラットフォームに対する令和二年度当初予算での手当て、これを念頭に、世界各地での感染拡大状況や支援ニーズなどを見極めつつ、新型コロナへの対応も含むNGOの活動、これを引き続き支援していきたいと、そのように考えております。

 

【伊藤岳議員】

 一次補正で海外日本企業支援として百一億円が組まれました。この海外日本企業支援の予算の僅か五%程度、五億円あればNGOへの資金面の支援は可能です。是非、企業だけでなく、NGOにも支援を急いでもらいたいと思います。ODAの予算配分も経済インフラ中心から社会インフラ、保健衛生重視に切り替えるべきだと私は思います。主要国と比較してみても、経済インフラは日本五七・三%、アメリカ三・三%、イギリス七・二%、社会インフラは日本が一五・八%、アメリカ四九・〇%、イギリス四四・九%、経済インフラ中心は日本が突出をしています。

 今回のパンデミックは、感染症に立ち向かう力、つまり医療や保健衛生の確保、整備などを日本も国際社会も日常から備えておくことの重要性を教えているんではないでしょうか。

 大臣、ポストコロナも見据えて、この際、ODAの予算配分を社会インフラに思い切ってシフトすべきではないでしょうか。いかがですか。

 

【茂木敏充外務大臣】

 我が国はこれまでも、人間の安全保障に直結する保健医療分野を含みます社会インフラ強化の取組を重視をしてまいりました。特に今般の新型コロナの世界的な拡大に関連しまして、保健医療システムが脆弱な、アフリカを含みます途上国への支援は国際社会の大きな課題として日本からもその重要性について国際社会に提言するとともに、積極的にこれらの国の支援をしていく考えであります。

 ポストコロナ、こういうお話あったわけでありますが、恐らく、今アフリカの国々であったりとか、それぞれの方々に聞くと、今の状況で正しいかどうか分かりませんけれど、マラリアが怖いという人の方が多いと思います。HIVが怖いという人の方が私は多いんだと思います。それだけ多くの方が亡くなられているのは事実でありまして、様々なニーズというのがあるわけでありますし、途上国には経済インフラから、また御指摘の保健医療など様々な社会インフラまで様々な課題を抱えておりまして、我が国としては、そういった各国のニーズを踏まえて、相手国の潜在能力の発揮と自立的発展を後押しすることを重視をしております。

 このような観点から、相手国の実情を考慮したきめ細かい人づくりや法制度整備支援にも力を入れて、途上国の自立的発展の基礎づくりを支援していく考えであります。

 決して、ハードを重視するとか経済だけでいいと申し上げているつもりはありません。当然、ソフトは重要でありますし、人づくりであったり、また保健医療分野の充実と、極めて重要な課題だと思っておりまして、しっかり取り組みたいと思います。

 

【伊藤岳議員】

 大臣所信でSDGsを強調されました。SDGsの三には全ての人に健康と福祉をうたっています。最後に大臣、SDGsの目標達成との関係でもODAの予算配分を社会インフラ重視に思い切って切り替えるべきだと思いますが、SDGsとの関係でいかがお考えでしょうか。

 

【塚田玉樹政府参考人】

 SDGsとの関係での御指摘をいただきましたが、ゴール三にある保健分野というのは、個人を保護し、その能力を開花させるという人間の安全保障の具現化において極めて重要な分野であるというふうに考えております。

 実際、昨年の大阪サミットあるいはTICAD7においても主要課題として取り上げて、その議論を国際的に主導してきたところでございます。特に、先ほどから話題になっておりますユニバーサル・ヘルス・カバレッジを提唱して、世界各国において我が国はこの達成を後押ししてきたところでございます。

 今回の新型コロナ対策の観点からも、重点的な取組が必要な途上国、特に医療体制が脆弱なアジア、アフリカの途上国、CEPI、Gaviを通じたワクチン開発、供給のためにも、国際連携を進めていきたいというふうに考えております。本年は、特に二〇三〇年までのSDGs実現に向けた行動の十年のスタートの年に当たります。保健、栄養、水、防災など、求められる取組が多岐にわたる中で、昨年末に改定しましたSDGsの実施指針の下、人間の安全保障の理念に基づきまして、具体的な取組を加速させ、国際社会の取組を主導していきたいというふうに考えております。

 

【伊藤岳議員】

 終わります。