2019年11月18日
日本共産党の志位和夫委員長は18日、武田良太防災担当相に対し、台風・豪雨災害に関する申し入れを行いました。穀田恵二国対委員長、高橋千鶴子、畑野君枝、藤野保史の各衆院議員、伊藤岳、岩渕友、武田良介の各参院議員、さいとう和子衆院比例南関東ブロック予定候補が同席しました。
志位氏は申し入れ後の記者会見で、「台風19号の発災から1カ月余がたち、これからが生活と生業(なりわい)にとって大事な時期だ」と強調し、5点の申し入れ事項について説明しました。
第一は、被災者への情報提供と、「対策パッケージ」の支援メニュー実施を一刻も早く徹底することです。志位氏は、「『対策パッケージ』の情報が、なかなか被災地・被災者に伝わっていない」と指摘。被災市町村では職員数が不足しているとして、市町村任せにせず、国として応援職員を派遣するよう求めました。
第二は、災害救助法の全面的な活用をはじめ、避難者の生活環境の改善をはかることです。志位氏は、「今なお2300人の方々が避難生活を強いられている」と述べ、防寒対策や温かい食事の提供、入浴の確保、借り上げ復興住宅など住まいの確保を要請。来年1月末を期限とする医療費一部負担の免除等についても、期限の延長を検討するよう求めました。
第三は、住宅再建への公的支援の強化です。志位氏は、住宅の被害認定について「浸水の深さで機械的に認定するケースがある」と述べ、住宅としての機能に対する被害の程度を正確に反映することを徹底し、弾力的な認定を行うよう求めました。
また、「一部損壊」を災害救助法による支援の対象にしたことは一定の前進だとしつつ、被災者生活再建支援法の拡充が不可欠だと指摘。支援金の上限を500万円に引き上げ、支援対象を「半壊」や「一部損壊」に広げるよう求めました。
第四は、農林漁業被害への対策を強め、中小企業の再建を支援することです。志位氏は「自己負担が大変重く、再建を諦めてしまう方が出ている」と述べ、1人の離農・廃業も生まない立場で、グループ補助金等の補助率のかさ上げ・上限額の引き上げ等々の「寄り添い型」の支援をするよう求めました。
第五は、復旧途上での被災自治体に対する支援を柔軟に行うことです。志位氏は、台風21号も一連の災害として激甚災害に指定し、被災自治体への支援を強化するよう求めました。
武田防災相は、「対策パッケージ」の実施について、被災者の立場に最大限立って弾力的な対応をすると約束。農林漁業や中小企業の再建についても、「諦めてしまう状況をつくらないためにさらに検討している」と答えました。
写真=武田良太防災相(中央右)に申し入れる志位和夫委員長(中央左)と党国会議員団。伊藤議員は右から2番目=18日、内閣府
【2019年11月19日付 しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】