日本共産党の伊藤岳参院議員は9日の参院地方創生デジタル特別委員会で、タクシーと乗客をマッチング(仲介)するタクシー配車アプリの課題についてただしました。
公正取引委員会の実態調査報告書(4月23日公表)は▽キャンセル回数により配車依頼が減る基準やルールが不明確▽アプリ提供会社の系列タクシー事業者への配車が優先される▽配車アルゴリズム(ドライバーに振り分ける方法)が変更されても検証できない―などアプリの配車基準についてのタクシー事業者の意見を列挙しています。伊藤氏がこれらの意見を知っているかとただすと、古川康国土交通副大臣は「承知している」と認めました。
伊藤氏は、マッチングの基準がタクシー事業者の売り上げに大きな影響を及ぼしうるとして、「アプリ事業者が自分たちの事業の都合を優先すれば、運転手離れを加速させ、地域の移動の足の確保と逆行することになる」と主張。古川副大臣は「(報告書の記述は)重要な指摘と受け止めている」と述べました。
伊藤氏が、追加料金を払った利用者に優先配車するアプリ配車サービスでも追加料金はドライバーの収入にならないとの声を突きつけると、古川副大臣は「検討が必要だ」と答弁。伊藤氏は「タクシー供給量の増加につながるかどうかの課題として検討すべきだ」と指摘しました。
伊藤氏は、手を挙げて乗車したい人にとっては、アプリ配車専用の「ライドシェア」ではなく、タクシーの供給量を増やすべきだと指摘。高齢者や障害者などを取り残さないよう、アプリ配車の影響を十分検討すべきだと主張しました。
【2024年5月10日(土)付 しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】

(写真)質問する伊藤岳議員=9日、参院地デジ特委