議事録

2024年12月24日 総務委員会(地方公務員育児休業法/男性育休取得について/3大臣協議)

議事録

【伊藤岳 参院議員】 日本共産党の伊藤岳です。

 本法案は、働きながら子育てしやすい環境へ、部分休業の拡充、取得条件の格差をなくすもので、賛成です。

 総務省にお聞きします。

 部分休業については取得要件に差がなくなりますが、育児休業の取得対象となる子の年齢要件については、常勤職員が三歳に達する日までなのに対し、非常勤職員は一歳に達する日から一歳六か月に達する日までの間で条例で定める日までとなっております。

 取得要件の差が残されたままです。現段階でこの区別が残されているのはなぜでしょうか。

【小池信之君 総務省自治行政局公務員部長】 地方公務員育休法の規定において、育児休業が可能である職員の子の年齢については、常勤職員については三歳に達する日まで、非常勤職員については子の養育の事情に応じ一歳に達する日から一歳六か月に達する日までの間で条例で定める日までとされております。

 育児休業は勤務条件に関わるものでありますことから、地方公務員法に定める均衡の原則の趣旨を踏まえ、国家公務員と同様の制度としてきているところでございます。国家公務員の非常勤職員における育児休業の要件は、民間における有期雇用者の取扱いと合わせたものであると承知をしております。

 地方公務員の常勤職員及び非常勤職員における育児休業の要件に関しては、引き続き国家公務員の動向も踏まえて検討してまいりたいと考えております。

【伊藤岳 参院議員】 国家公務員や民間の状況と言われましたけれども、公務員の人材確保が求められているときに、果たしてこれで社会情勢に見合っているのかと思います。

 二〇二一年人事院勧告、報告でも、妊娠、出産や育児というライフイベントは、常勤か非常勤かという勤務形態によって変わるものではないと言及をしています。自治体によっては、既に、子供が成人になるまでの期間、学校行事での休暇を取得できるという独自の制度を設けているところもあります。不合理な格差は見直すことを求めたいと思います。

 二〇二三年十二月二十二日、政府が今後三年間、集中プランとして取り組むこども未来戦略が閣議決定されました。共に子育てするためとして、男性の育児休業取得率について、二〇二五年に国、地方の公務員で一週間以上の取得率を八五%と、目標を大幅に引き上げました。二〇三〇年には二週間以上の取得率八五%としています。

 資料をお配りしました。資料の二枚目の方ですが、現状、国家公務員の育児休業取得率は全体で四三・九%ですが、地方公務員全体で三一・八%、先ほど別の委員も指摘されましたが、開きがあります。

 資料の一枚目に戻っていただきますと、年休の取得の状況です。年休の取得の場合はどうかといいますと、都道府県、政令指定都市、一般市町、一般市、町、村別の年休の取得状況ですね。

 村上大臣にお聞きします。

 見ていただいたように、年休の取得状況を見ますと、人口規模が少ない地方自治体ほど取得率が低くなっているんです。要は、地方自治体の人員が不足しているということだと私は思います。

 自治体労働組合総連合、自治労連の皆さんから先日お話を聞きました。育児休業制度を拡充しても、実際に休暇を取得しようとしたときに代わりの職員がいないことから、他の職員や住民に対してしわ寄せが行くのではないかということで取得しにくいという声や、職場としても、育休を取得してもらうことに喜びたいという思いもありつつも喜べない状況があるというのが実態だと言っておられました。

 男性職員が育児休業などを取得するためにも地方公務員の増員が必要ではないでしょうか。職場環境整備についての大臣の見解をお聞きしたいと思います。

【村上誠一郎 総務大臣】 私は、職員が育児休業を取得しやすい職場環境を整備することは非常に重要だと認識しております。

 そういうことにおいて、自治体の現場においては、一つ、職員の業務を他の職員が円滑に引き継げるような事務処理マニュアルを標準化する、一つは、一年以上の育児休業を取得する予定の人数を採用計画上の職員数に反映する、三つ、小規模の自治体は一人が担当する業務の幅が広いため、日頃から縦割りにせず、チーム全体でフォローしながら業務に当たるといった取組を実施している自治体もあると承知しております。

 総務省では、このような自治体の取組事例を横展開しつつ、小規模な自治体を含む各自治体において育児休業が取得しやすい職場環境の整備が一層推進されるように後押ししていきたいと、そういうふうに考えております。

 一方、自治体の定員については、各自治体においても、行政の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよう、地域の事情に踏まえつつ、適正な定員管理を努めていただくことが私は重要だと、そういうふうに考えております。一般行政部門の常勤職員数は近年増加傾向にあり、総務省としましても、自治体の職員数の実態などを勘案して、地方財政計画に必要な職員数を計上しています。

 今後とも、自治体の実態などを十分踏まえて必要な対応を行ってまいりたいと、そのように考えております。

【伊藤岳 参院議員】 幾ら育休を推奨しても、先ほど言ったように、このしわ寄せが行くんじゃないかという思いから取りづらいという状況があります。

 いろいろなメニューを紹介されましたけど、やっぱり決定的なのは、職員を増員しなければこの育休の制度の運用を実効あるものにしていくことはできないと思います。職員の人手不足の解消を始めとした職場環境の整備が求められていると改めて指摘をしておきたいと思います。

 前回の当委員会で、大臣に、現行保険証との選択制からマイナ保険証一本化に方針転換した二〇二二年十月十三日の関係三大臣の協議の内容をどのように前大臣から引き継がれましたか、方針の転換の理由をどのように聞きましたかと私問うたのに対して、大臣は、デジタル大臣と厚労大臣によって協議がなされたと答弁されまして、三大臣との協議はごまかされました。

 大臣、もう一度聞きます。

 二〇二二年十月十三日のこのデジタル、厚労、総務、関係三大臣の協議について、その後確認されたでしょうか、方針転換をどのように引き継がれましたか。

【村上誠一郎 総務大臣】 伊藤委員から指摘されまして、松本前大臣や皆さんに聞きましたんですが、マイナ保険証は総務省の所管でありませんけれども、健康保険証の新規発行終了の方針については、当時、マイナンバーカードの普及や利便性の向上の検討より行われた中で、デジタル大臣と厚生労働大臣より逐一協議がなされたものというふうに承知しております。

 その上で、令和四年十月十三日の総務大臣も含めた関係閣僚において、令和六年の秋に保険証の新規発行終了を目指す方針が最終的に確認され、当時のデジタル大臣から発表されたというふうに聞いております。

 なお、総務大臣は、あくまでカードの発行、交付を所管とする観点から、最終的な確認の場に同席しただけであるというふうに承知しております。

 以上であります。

【伊藤岳 参院議員】 今、大臣、現行保険証の廃止、マイナ保険証に一本化という重大な方針転換の場に当時の総務大臣は出席していたとお認めになりました。しかし、何ら発言をしなかったという旨述べられましたが、こんな重大な方針転換に総務大臣が何も発言しなかったということでいいのかと、私は問われていると思います。

 では、なぜ前松本大臣が言わば会議に参加しただけだと言えるのか、根拠となる行政文書の提出を求めたいと思いますが、いかがですか。

【村上誠一郎 総務大臣】 理事会で検討していただけますか。理事会で出すようにと言われたらまたこっちも考えますので、よろしくお願いします。

【伊藤岳 参院議員】 今後も丁寧に追及してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。