議事録

2023年3月28日(地方税法・交付税法改正案の反対討論)

議事録

○伊藤岳君 私は、日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法の改正案への反対討論を行います。

 まず、地方税法改正案についてです。

 国民の実質賃金は減り続け、物価高騰で貧困と格差は更に深刻化する中、地方自治体に求められるのは、貧困と格差を解消し、住民の命と暮らしを守ることです。生計費非課税の徹底、富裕層、大企業に対する応分の負担、困窮者への税負担の軽減、社会保障による所得再配分、再分配機能の発揮など、税制面からの対策が必須です。しかし、本法案には、貧困と格差の解消、物価高騰や生活危機への支援を行う措置は見当たらず、住民の暮らしを税制面で支える内容とは言えず、反対です。

 税理士法改正で創設される税務相談停止命令制度が地方税にも適用されることも重大です。地方税においても、曖昧な基準による強力な権限行使や自主申告運動潰しにつながりかねません。

 次に、地方交付税法改正案です。

 本法案は、社会保障費の抑制と地方公務員の削減、アウトソーシング路線を継続するものです。

 政府が続ける一般財源総額実質同水準ルールの下、地方自治体は、毎年増加する社会保障費の増額分を給与関係費や投資的経費の削減で吸収せざるを得ない状況が押し付けられています。児童福祉司や保健師等の増員のための財政措置は限られた範囲にすぎず、集中改革プラン以降、地方公務員を二十三万人も削減し、深刻な長時間勤務を招き、年収が二百万円にも満たない非正規職員が増え続けています。

 とりわけ、マイナンバーカードの普及促進のために、カード交付率を普通交付税の算定に用いる仕組みを導入することは問題です。自治体は、カード普及競争に駆り立てられ、任意であるにもかかわらず、カード取得の有無によって行政サービスの提供に差が付けられる事態が相次いでいます。地方の固有財源である地方交付税を国策推進に利用することは断じて許されません。地方交付税の財源保障機能と財政調整機能をゆがめるもので、反対です。

 国は、地方自治体が必要とする財政需要を十分に算定するとともに、法定率を引き上げるなど、財政確保に責任を果たすべきことを強く求め、反対討論といたします。