国政報告

視覚障害者の利用困難 マイナ保険証巡り 参院総務委員会

 日本共産党の伊藤岳議員は13日、参院総務委員会で、視覚障害者のマイナ保険証利用には困難があるとして、従来の保険証の新規発行を中止した政府の姿勢を批判しました。

 伊藤氏は、視覚障害者から「顔認証と言われても顔をどこに向ければいいのかわからない。暗証番号の入力ができない。健常者とは違う、差別的扱いをされたと感じた」との声が寄せられたと紹介し「当事者の意見は聞いたのか」とただしました。

 吉田真次厚生労働政務官は、視覚障害者の関係団体などから「『障害者や高齢者の中にはマイナカードの取得に困難を抱えている方もいる』『医療機関等の本人確認について暗証番号等の入力とは別の方法でできるようにすべきだ』など、さまざまなご意見をいただいた」とし、「必要な保険診療を受けられる環境整備に取り組みたい」と述べ、未解決の問題があることを認めました。

 伊藤氏は、視覚障害者の「なんで保険証をなくすんですか。これまでの保険証ではこんな人権侵害をされるような思いはしたことがない」との言葉を突きつけ、保険証廃止はやめるべきだと求めました。

 さらに、村上誠一郎総務相に、従来の保険証の廃止、マイナ保険証への一本化という重大な方針変更を決めた厚労相、デジタル担当相、総務相の3閣僚が確認した場での当時の総務相の対応を質問し、人権侵害につながる事態を招いた3閣僚の合意は重大で責任のがれは許されないと追及。村上総務相は「(前総務相が)発言したかどうかは私では確認しようがない」との答弁に終始しました。

【2025年3月23日(日)付 しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】

(写真)質問する伊藤岳議員=13日、参院総務委