参院地デジ特
日本共産党の伊藤岳議員は5日の参院地方創生デジタル特別委員会で、3月に始まった戸籍情報連携システム(本籍地以外の自治体窓口でも戸籍証明書を取得できるシステム)で起きた障害について質問しました。
伊藤氏は「戸籍とは婚姻、離婚、親子、養子など出自に関するデータが蓄積され、プライバシーの核心だ。その戸籍を扱うシステムでの障害は重大だ」と指摘し、原因をただしました。
法務省の松井信憲審議官は「設定していた上限値を超える件数の通信が届き、処理に時間がかかった」と説明。各自治体の戸籍謄本の「正本」と法務省の「副本」データが一致するか確認作業を進めてきたが、一部の自治体では確認が終了しておらず、DV被害者などの情報が設定されていない戸籍も一部あったが、施行日が3月1日と決まっていたため運用を開始したと明らかにしました。
伊藤氏は「戸籍情報の確認が終わっていない自治体が一部あるのに施行日だからと運用を強引に開始したのは極めて重大だ」と厳しく批判。「システムをいったん止めるべきではなかったか」とただしたのに対し、河野太郎デジタル相は「現時点でシステムを止める必要があるとは思っていない」と強弁しました。
伊藤氏は「急速にデジタル化を進めようとした結果、ひずみが生じている。見切り発車すべきでない」と強く訴えました。
【2024年6月8日(土)付しんぶん赤旗・写真=赤旗写真部】