参院総務委
日本共産党の伊藤岳議員は13日の参院総務委員会で、政府が2026年の導入を目指す次期マイナンバーカードについて、現在のカードをめぐるトラブルが続出するなかで「個人情報が漏えいする危険性をそのままにして、新カードへの移行に突き進むべきではない」と主張しました。
政府が9日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、次期カードの導入と券面記載事項について検討すると明記しています。河野太郎デジタル相は9日の参院地方創生デジタル特別委員会で、顔写真や住所など全ての事項が検討対象だと述べました。
伊藤氏は、顔写真などを券面表記せずにICチップに埋め込めば、目視で本人確認できなくなると指摘。顔写真で確認している自治体窓口などで「運用の仕方が変わるのではないか」とただすと、総務省の吉川浩民自治行政局長は「変わる可能性がある」と認めました。
伊藤氏は、現在のカードでも自治体などの職員が個人情報を抜き出して流用する事案がいくつも出ていると指摘。次期カードでICチップの読み込み機器を使う機会が増えれば「個人情報漏えいの危険性が拡大しないと言い切れるのか」と迫りました。松本剛明総務相は「指摘は必ずしもあたらない」と強弁。伊藤氏は、この間のカードのトラブルは全て「システムや機器を通してのトラブルだ」と強調し、普及・利活用ありきで突き進む政府の姿勢を厳しく批判しました。
【2023年6月14日(水)付しんぶん赤旗 写真=伊藤岳事務所】