参院総務委
日本共産党の伊藤岳議員は23日の参院総務委員会で、マイナンバーカードの申請が困難な障害者や性別・名前を表記したくない性的少数者らへの配慮がまともに検討されていないと批判しました。
伊藤氏は、カード申請時に「背後に車いすのヘッドレストが写っていたので却下された」「病気のため黒目がない人でも、黒目が写ってないので撮り直しとなった」などの事例が報告されていると指摘。総務省は「正面、無帽、無背景」が「適切な撮影」としており、「はなから障害のある方のことなど考えず、申請から排除したと言われても仕方ない」と強調しました。
また、現行の保険証はトランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と自分が認識する性別が異なる人)の当事者らの要望を踏まえ、表面は「通称名のみ」で、性別欄は裏面に記載することが可能だが「マイナ保険証にこうした配慮はない」と指摘。カードの券面表記について検討すべきだと迫りました。
大串正樹デジタル副大臣は「券面記載事項について関係者の意見を聞いて検討を進めていきたい」と答弁。伊藤氏は「検討が必要だと認めた。検討すべき事項があると認識している法案をなぜ提出するのか。出し直すべきだ」と強調し、「普及ありき」の姿勢を厳しくただしました。
【2023年5月24日(水)付しんぶん赤旗・写真=伊藤岳事務所】