参院総務委
日本共産党の伊藤岳議員は30日の参院総務委員会で、放送法に対する稲葉延雄NHK新会長の考えをただしました。
伊藤氏は「公共放送としての自律、政府権力からの自立が問われている」と稲葉氏の認識を質問。稲葉氏は「健全な民主主義の発達の役割を果たすため、公平公正、確かな情報を届けていく」と答えました。伊藤氏が、安倍政権による放送番組への「行政指導」を放送倫理・番組向上機構(BPO)が「放送法が保障する『自律』を侵害する」と意見したことへの認識を尋ねると、稲葉氏は「基本的にBPOの判断は適切」と答えました。
伊藤氏は、会長選任をめぐり「読売」(2022年12月6日付)が岸田文雄首相の関与を報じたとして「会長就任について、いつ、誰から話があったのか」と質問。稲葉氏は「森下俊三経営委員長から(会長を選考する)12月5日に来てほしいと連絡があった」とだけ答え、首相からの接触の有無については触れませんでした。
伊藤氏は、人員削減の中、NHKで過労死が続いていると指摘。稲葉氏は「大変重く受け止めている」として「健康を最優先にする組織風土を定着させたい」とのべました。
23年度のNHK予算について伊藤氏は、かんぽ不正販売で日本郵政グループからの圧力に屈し、個別番組への干渉問題を起こした経営委員会が無反省なままで国民の信頼は得られていないと反対討論。予算は同日の参議院本会議で賛成多数で承認されました。
【しんぶん赤旗2023年3月31日(金)付 写真=伊藤岳事務所】