議事録

2022年3月8日 総務委員会(福祉灯油、統計不正問題)

議事録

【伊藤岳 参議院議員】
日本共産党の伊藤岳です。
 冒頭、ロシアのウクライナへの無法な侵略は断じて許されない。速やかな撤退を強く求めたいと思います。
 この侵略の影響で、原油価格の更なる高騰が懸念を、強く懸念をされます。政府は四日に緊急対策を発表いたしました。
 総務省前田自治財政局長、お聞きいたします。
 四日発表の原油価格高騰に対する緊急対策の中で、地方対策、国民生活への支援では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金並びに地方交付税措置が示されています。特別交付税措置について、あっ、ごめんなさい、特別交付税措置が示されています。特別交付税措置について、これから新年度にかけて一層の原油価格の高騰、諸物価の引上げが予想されます。今年度の特別交付税措置がされていますが、令和四年度、来年度、二〇二二年度も特別交付税による支援措置が当然必要となるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
【前田一浩 総務省自治財政局長】
 本年度、令和三年度におきましては、生活困窮者に対します灯油購入費等の助成を始め、地方団体が実施いたします原油価格高騰対策に対しまして特別交付税措置を講じることとしております。
 従来から、原油価格高騰対策につきましては、原油価格高騰に伴い生活者等へ与えます影響が大きくなってきたことなどを受けて特別交付税措置を講じてきたところでございまして、来年度につきましても、原油価格の動向や原油価格が生活者等へ与える影響などを踏まえ、その必要性を検討してまいりたいと考えております。
【伊藤岳 参議院議員】
 地方自治体が住民支援の対策を進める上でも、できるだけ早い時期に検討してもらって、地方自治体への周知徹底を丁寧かつ迅速に進めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 国の政策の基となる基幹統計において、建設工事受注動態統計の不正が生じていました。統計法の第一条では、公的統計は国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報とされています。ところが、その公的統計において、二〇一八年の毎月勤労統計の不正から僅か三年で再び不正が発覚をいたしました。
 今回の統計不正を受けて提出された国交省、総務省の第三者委員会の報告書では、納得のいく事態の究明ができたんでしょうか。まず、国交省の検証委員会報告書に関わって聞きたいと思います。
 私がこの報告書を読んでまず感じたのは、国交省は建設工事受注動態統計において行われていた書換え、合算集計処理に推計値も加えた二重計上の実態を表沙汰にはしたくない、何とか隠しておきたいという根深い体質があったということです。省内では二重計上は公然の秘密となっていたのではないでしょうか。
 金子大臣にお聞きします。
 今回の問題で思うことは、受注額が書き換えられ、合算され、カウントされている上に毎月の推計値もカウントされれば、二重計上となることは誰にでも分かることであるのに、統計に携わる複数の職員がなぜ気付かなかったのか、あるいは気付かなかったとされているのかということです。
 大臣自身は、国交省、総務省のこの報告書を読んで、なぜ二重計上が起き、起こり、続いてきたのかについて、すっきりと理解できましたか。納得できましたか。

【金子恭之 総務大臣】
 今般の事案を受けて、国土交通省の検証委員会及び統計委員会の対応精査タスクフォースによりまして、徹底的な検証、精査が行われ、詳細な報告書が公表されました。
 私自身も両報告書に目を通し、二重計上が起きた理由や、それが続いた経緯を把握するとともに、再発防止のためには、そういった個々の事案にとどまらず、組織風土の改善にまで踏み込んだ更なる検討が必要であると感じました。
 現在、統計委員会において両報告書の精査を踏まえた公的統計の改善策の検討が進められておりますが、そこには、品質優先の組織文化の形成や風通しの良い職場環境の醸成といった点についても議論が行われていると承知しております。
 総務省としては、統計委員会における取組を全面的に支援をし、再発防止や信頼確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
【伊藤岳 参議院議員】
 いろいろ御丁寧に答えていただいたんですが、私聞いたのは一点でありまして、なぜ二重計上が起こり、そして、ここまで続いていたのかについて大臣自身は理解できましたか、報告書を読んで、ということです。納得いったでしょうかということなんです。
【金子恭之 総務大臣】
 今申し上げたように、いろんなものが重なってそういうことになったのだと思います。決してこのようなことがないように、しっかりと精査をしていきたいと思います。
【伊藤岳 参議院議員】
 それでは、具体的に確かめていきたいと思います。
 検証委員会報告書によりますと、建設工事受注動態統計が始まった当初から書換え、合算集計処理が行われていた。統計開始から十年が経過して公的統計の精度を高めるとして推計方法についての検討が始まった。国交省統計室において平成二十二年、二〇一〇年一月から検討が行われ、七月からは国交省内に検討会が設置された。平成二十三年、二〇一一年七月には総務大臣から統計委員会に諮問し、八月に統計委員会産業統計部会が開催され、九月に答申が出され、建設工事受注動態統計の推計方法について了承されました。
 これら一連の会合には、合算処理が行われていることは少なくとも課長補佐には報告されていたとされる課長補佐が参加していましたし、合算処理の業務に携わっていた係長なども出席していました。この会合の中で推計方法を加えて推計値をカウントするようになることを知れば、二重計上となることに気付けたはずじゃないでしょうか。
 平成二十五年、二〇一三年以降の建設工事統計調査全国説明会においては、推計方法の変更の報告と併せて合算処理についても、例えば調査票が万が一複数月で提出された場合、複数枚、複数枚それぞれの受注高を合算して計上しと書かれています。つまり、推計方法を加えて推計値をカウントすることと併せて合算処理を行ってカウントすること、両方が説明会で説明されていたんです。二重計上となっていることを数年間にわたる説明会で誰も気付かずに説明を続けていたということなんでしょうか。
 平成三十年、二〇一八年十月のいわゆる室レク、部屋のレクについて聞きます。
 国交省大澤大臣官房審議官、今日来ていただいていますが、平成三十年、二〇一八年十月、いわゆる室レク、係長と室長とらの室レクにおいて、係長が合算処理もしていることに言及したら、室長はけげんな表情をした上、課長補佐らほかの出席者は触れてはならないことに触れたという雰囲気になったとあります。これは係長の証言が書かれたものなんでしょうか。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】お答え申し上げます。
 国交省では、昨年の十二月十五日、総理の指示を踏まえまして、建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る検証委員会を設置をいたしました。十二月二十三日の設置以降、精力的かつ徹底的に調査を行いまして、本年の一月の十四日、報告書をまとめていただいたところでございます。
 委員御指摘の点につきましては、検証委員会報告書では、担当係長によれば、平成三十年十月五日、室レクにおいて、担当係長は、建設受注統計で本件合算処理をしていることに言及をした。当該担当係長は、ヒアリングに対し、元々本件合算処理について説明する予定はなく、たまたま本件合算処理に触れたところ、室長がけげんな表情をした上、他の室レク出席者が触れてはならないことに触れたという雰囲気になったため、上記室レクでは、それ以降本件合算処理については述べなかったとのことであるとされてございます。
 国交省といたしましては、検証委員会における徹底的な検証の結果として報告書にこのように記載されたものでございまして、事実認定につきましては検証委員会報告書の表現どおりに受け止めてございます。
 この度設置いたしました再発防止検証タスクフォースにおきまして、率直に自分の意見を言ったり誤りを認めることができる風通しのいい職場づくり、これに向けまして対策の検討に取り組んでいるところでございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 聞いていないことまで丁寧に答えていただかなくて結構なんですよ。
 私聞いたのは、先ほど言いましたけげんな表情をしたとか、触れてはならないことに触れたという雰囲気になったというのは、これは係長の証言なんですか、誰の言葉なんですかってことなんです。それだけなんです。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】
今回、検証委員会の報告書につきましては、元大阪高検の検事長や元名古屋地検の特捜部長を始めとしました元検事、弁護士を入れました独立性、中立性を持った方で徹底的に調査、検証されたものと考えてございまして、その報告書の中で認定された事実はその表現のまま受け止めるということで対応しております。
【伊藤岳 参議院議員】
 表現のまま受け止める、つまり係長が言ったというふうに私受け止めました。
 ですから、係長はですね、合算処理に推計値をカウントする二重計上を加えて、推計値をカウントして二重計上になると、こういうのはアンタッチャブルな案件なんだな、これについて気付いたり指摘したりすることはやってはならない、まずいことなんだなと身にしみたんだと思うんです。そう理解させられたということだと思うんです。
 もう一つ聞きます。
 毎月勤労統計の不正を受けて実施された平成三十一年、二〇一九年一月の一斉点検の際、係長が合算処理も行われていることについて報告した方がよいと考えて上司である課長補佐及び企画専門官に相談したが、これらの上司が消極的な立場であったため、一斉点検の際の報告の対象にしなかったとあります。上司が何かを発言したり指示をしたのですか。なぜ検証委員会の報告書では上司が消極的な立場とされているんでしょうか。説明をお願いします。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】
 検証委員会の報告書では、議員の御指摘のとおり、ヒアリング等の調査の結果によれば、当時の係長は、過月分合算については、一斉点検の調査項目とはされていないと理解していたものの、過月分合算を報告した方がよいと考えて上司である課長補佐及び企画専門官に相談したが、これらの上司が消極的な立場であったため、一斉点検の際の報告の対象にしなかったことが認められるとされてございます。
 国交省といたしましては、検証委員会におきまして、関係者に対するヒアリングや提出された資料を基に徹底的な検証が行われたものと考えてございます。事実認定につきましては、検証委員会の報告書の表現のとおり受け止めてございます。
【伊藤岳 参議院議員】
つまり、その表現のとおりだと言われましたけれども、表沙汰にはしたくないと、抑え込むという強い圧力が部屋の中にはあったんだということだと、そういうことを示しているんだろうと思います。
 そして、令和元年、二〇一九年六月頃には、課長補佐が室長及び企画専門官に対して本件合算処理をしている実態及び本件合算処理を取りやめるべきことを訴えるが、取りやめに動くことはなかった。公表はしない旨の発言があったとの記載もあります。取りやめるべきという具体的なはっきりした訴えがあっても、頑強に、そして組織的にこれをはねつける、言わば組織的に隠す動きが存在していたということが報告書から分かると思います。
 その後、会計検査院から指摘を受けた令和二年、二〇二〇年十月になって、国交省は、総務省統計委員会にようやく報告、相談を始めます。統計委員会評価分科会に対して提出した資料の中に、足し上げて合算処理をしていることを示す三枚の資料を混入させた。検証委員会報告書によると、二重計上を示すのは避けながら、合算処理が行われていることを統計委員会評価分科会に承認されたように装うために資料を紛れ込ませたのだったということになっています。
 タスクフォース報告書によると、国交省が統計委員会評価分科会に提出した資料について、三枚の資料について、統計委員会側は施工統計調査以外は分科会の審議事項ではないからと当該資料を提出することを拒んだ。しかし、国交省は再度、再々度資料を提出しようとした。統計委員会からの問合せに資料を、三枚の資料を上司がどうしても残しておきたいと言っていると答えている。拒まれても拒まれても上司は資料を紛れ込ませたかったということです。
 合算処理や二重計上を行っていることについて、統計委員会評価分科会をごまかそうとする、だまかそうとする、そういう上司がいたということですね。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】
 お答え申し上げます。
 検証委員会の報告書では、令和二年の十月三十日に開催された統計委員会の第八回評価分科会に参考資料として、議員御指摘のとおりです、三枚の説明文を添付し、本件合算処理に関する説明を記載したが、当日、この部分に関する説明はしなかったとされてございます。また、本件統計室におきまして、総務省に対して、実質的に審議が行われていない過月分合算の修正についても、審議が行われて、評価分科会からの了解が得られたもののような形作りをしたとされてございます。
 こうした対応につきまして、報告書の中では、本件二重計上の問題が表沙汰にならない形で収束させようとした、あるいは、隠蔽工作とまで言うかどうかはともかく、幹部職員において責任追及を回避したいといった意識があったことが原因と考えざるを得ないと、大変厳しい御指摘をいただいてございます。
 国土交通省といたしましては、こうした御指摘を重く受け止め、今般立ち上げました再発防止検討タスクフォースにおいて有識者の御意見をいただきながら、再発防止策につきまして検討してまいります。
【伊藤岳 参議院議員】
 報告書でも厳しい指摘があったというふうに今言われましたけど、この拒まれても拒まれても資料を何としても紛れ込ませようとして、言わば統計委員会評価分科会をごまかしちゃおうとしたこの上司という方はどういう地位にあるものの方なんですか。統計委員会が拒んだにもかかわらずこれを押し返そうとしたわけですから、それなりの地位、権限がある上司だと思いますが、答えてください。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】
 当時の統計室の室長以下でございます。室長以下でございます。(発言する者あり)室長並びに、詳しくは、済みません、ちょっと手元にないので分からないんですけれども、統計室の中での判断であったというふうに報告書の中ではされてございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 この方がどういう方なのかということ、その方にどういう聞き取りをしたのかというのは報告できないんですか。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】
 そのときのやり取りの打合せの前に指示をしたのは、報告書の中においては室長の指示の下というふうに記載ございますので、室長の指示の下で打合せを行ったというふうに報告書でされてございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 ちょっと分からなかったんですが、つまり、資料を何としても紛れ込まそうとしたのは室長、室長の判断だったということね、何ですか、これ重大ですね。つまり、その室長が統計委員会をごまかそうとした、だまかそうとしたということなんだと思います。
 今、金子大臣聞いてもらいましたように、先ほど大臣はなぜ二重計上が続いたのかのことについて、いろんなことが重なったんだろうと思うと言われました。確かに、いろんなことが重なったのは事実です。しかし、今経過聞きましても、検証委員会の報告書も国交省の姿勢を厳しく批判をしていますけれども、国交省の不正隠しの姿勢、これが二重計上が続いた一番の根源じゃないでしょうか。これ、すっきり理解、納得できるようなものじゃないと思います、検証委員会の報告書だけでは。
 で、毎月勤労統計の不正を受けて二〇一九年に統計改革推進会議がまとめた誤りがあった場合には速やかに公表するなどの再発防止策や、統計委員会の建議が出された以後も誤りが公表されずに、是正もされませんでした。
 国交省、もう一問聞きます。
 この統計改革推進会議の対策では、統計の重要性と社会的影響を認識し、統計の精度を重視するようになることはもとより、それにとどまらず、自信と誇りを持って職務に推進できることができるような職場風土の確立、職員の意識改革を進めることも示されていました。
 統計の中立性及び信頼性を守る職場風土、自信と誇りを持って職務を遂行すること、これらが国交省内部で確立されていなかったんではないですか。どうですか。
【大澤一夫 国土交通省大臣官房審議官】お答え申し上げます。
 検証委員会からは、報告書におきまして再発防止策の提言をいただいております。その中に、問題発見時の対応方法の明確化及び問題の発見と解決を奨励する風土の形成が含まれてございます。
 国土交通省といたしましては、この提言を踏まえ、今般立ち上げました再発防止検証タスクフォースにおいて有識者の御意見をいただきながら、率直に自分の意見を言ったり誤りを認めたりすることができる風通しの良い職場づくり、組織風土の改善に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 しっかり取り組んでもらいたいんですが、何と室長が統計委員会をだまかそうとしていたということ、これ大変な問題だと思いますよ。しっかり改革を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、総務省のタスクフォース報告書に関わって聞きます。
 これ、本当に総務省も何をやってきたのかというふうに思いました。毎月勤労統計の不正の際に各府省の一斉点検が実施されていて、この一斉点検で今回の不正事案が見落とされていたわけです。
 昨年暮れの当委員会で私も指摘をしましたが、一斉点検について、点検方法、各府省が統計幹事を中心に自ら点検を実施し、総務省がその結果を取りまとめとなっていました。具体的には、各府省に対して、担当する基幹統計に関するファクトシート、書面調査票への記入を求めて、そこで浮上してきた問題点について検討していく方式を取りました。要するに、各府省からの報告を受けるだけに等しく、統計の司令塔である総務省統計委員会としての踏み込んだ検証が欠落していたと思います。
 一方、会計検査院が参議院決算委員会の警告決議に基づいて都道府県に対する実態調査を実施して、令和元年、二〇一九年十一月に合算処理を確認することになりました。
 大臣に聞きます。
 毎月勤労統計の不正の後の一斉点検でも発見できなかった。これでは、参議院決算委員会の警告決議に基づいた会計検査院の都道府県に対する実態調査が実施されていなければ、今回の不正はいつまでたっても分からなかったということになるのではないですか。そうですよね。
【金子恭之 総務大臣】
 お答え申し上げます。
 平成三十一年の一斉点検において、結果として、今回の事案について国土交通省から報告はなく、把握できなかったことは大変遺憾です。
 会計検査院の実態調査が行われなかったとした場合の可能性について、仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、現在、統計委員会において、今回の事案を踏まえた実効ある集計プロセスの点検の検討が行われ、また今後、点検結果も踏まえ、再発防止策や公的統計の改善策の検討が行われます。
 総務省としては、このような統計委員会における検討の結果を踏まえ、公的統計の信頼確保のために全力で取り組んでまいります。
【伊藤岳 参議院議員】
 総務省の点検は、調査方法の適切さなど、現場の実態が把握されていなかったのだと思います。
 毎月勤労統計の不正の後に、統計委員会の建議で、都道府県の統計専門員については、調査員活動の適切な管理、支援に必要な体制のほか、大規模調査実施年の業務量増に対応できる体制を確保するとされました。
 総務省に聞きます。
 毎月勤労統計不正の後の都道府県統計専門員の配置定員、予算額の推移を示してください。
【吉開正治郎 総務省政策統括官】 お答え申し上げます。
 毎月勤労統計調査の不適切事案以降の統計専任職員の配置定員ということでございますので、令和元年度から申し上げますと、令和元年度は千六百三十五人、令和二年度は千六百三十四人、令和三年度は千六百二十五人、令和四年度予算案では千六百十七人となっております。
 また、予算額について申し上げますと、令和元年度は九十五・八億円、令和二年度は九十五・八億円、令和三年度は九十五・一億円、令和四年度予算案では九十三・六億円となっております。
【伊藤岳 参議院議員】
 今説明していただきました。私も資料を用意しました。資料三を見ていただきたいと思います。
 都道府県統計専任職員の定数及び予算額の推移、今答弁されたものを表にしました。これ見ても分かりますように、配置定員は令和二年度に九人増員をするんですが、一方、令和二年以降、何と二十七人も減員して、統計専門職員は増えるどころか逆にマイナスになっています。
 大臣、この都道府県統計専任職員の配置定員は大臣が決定するものですか。
【吉開正治郎 政策統括官】
 これは予算の中で決定されるものでございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 大臣、配置定員を増やしていただけますか、どうですか。
【吉開正治郎 総務省政策統括官】
 統計専任職員についてのお尋ねがございました。
 令和元年度までの統計専任職員につきましては、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針において、各府省の定員の合理化について、行政の業務改革の取組を推進しつつ、計画的に実施することとされております。
 国の統計業務を行う都道府県の統計専任職員でございますけれども、これにつきましても、業務のICT化ですとか民間委託等の業務の効率化の状況を踏まえつつ、毎年度計画的に合理化に取り組んできているところでございます。そういたしまして、平成二十七年度以降、国家公務員定員合理化計画に準じ、五か年間で百八十一人の合理化をしてきたというところでございます。
 なお、先ほど民間委託等について申し上げましたけれども、令和二年度以降につきましては、商業動態統計調査それから生産動態統計調査につきまして民間委託化をしております。これに伴う合理化ということが一つございます。それから、統計の統廃合というものがございますので、具体的には工業統計調査が経済構造実態調査に包摂されるということを踏まえた合理化も計上しておるところでございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 増やすという明確な答弁はいただけませんでした。
 毎月勤労統計の不正問題が生かすべき教訓の一つですよ、統計人員の確保については。問題が過ぎれば、喉元過ぎれば人員を削減する、総務省自体の、自身の姿勢が問われているんではないかということを指摘しておきたいと思います。都道府県統計専任職員の増員を至急求めたいと思います。
 タスクフォース報告書によりますと、総務省は、令和三年、二〇二一年八月に国交省から新たなメールを受け取りました。
 資料一を御覧をいただきたいと思います。まず資料を配りましたが、マスキングが掛けられていまして全く見えないんですが、そのマスキングが掛けられている中身が、下に説明書きがあります。新聞記者からの取材を受けたので相談したい旨のメールでした。この中には、ダブルカウント、つまり二重計上を指す文言もありました。
 資料二を御覧いただきたいと思います。これは、そのメールに添付されました、国交省が作成した会計検査院調査に国交省がどう対応するのかという想定問答だということになっています。中身は見えません。総務省は淡々と対応すればいいと返事を返していたようです。
 金子大臣、この二〇二一年の八月の国交省のメールの実物、見ていますか。

【金子恭之 総務大臣】
 お尋ねのメールは、今お話がありました統計委員会の対応精査タスクフォースの報告書に添付された国土交通省から総務省への照会に関連する複数のメールのことだと思います。
 それらのメールにつきましては、これまでタスクフォースや統計委員会における中立的な精査に委ねてきているため、私自身はメールの実物は拝見しておりません。ただし、タスクフォースからの報告を受けた際に、これらのメールには会計検査院や記者からの指摘やダブルカウントという二重計上をうかがわせる記載があったものと伺っております。
【伊藤岳 参議院議員】
大臣、何で見ないんですか。見なきゃ事態の究明、責任持てますか。何で見ないんですか。
【金子恭之 総務大臣】
今申し上げましたように、既に統計委員会の対応タスクフォースの、統計委員会で精査をしているということでございます。これは統計委員会が責任を持ってやるということでございますので、中身は報告は受けておりますので、しかもその資料は統計委員会の方にございますので、そういうことで統計委員会にお任せしているところでございます。
【伊藤岳 参議院議員】
 統計委員会に調査を進めてもらうのは当然ですけれども、お任せするんじゃ駄目だと思いますよ、大臣、責任があるわけですから。
 だって、国交省と総務省が会計検査院にどう対応するかという問答ですよ、やり取りですよ。もしかしたら重大な問答だったかもしれないじゃないですか。これ、大臣見ないで真相究明の責任を果たせますか。是非、まず私は見てほしいと思う。で、究明の先頭に立ってもらいたいと思います。
 ところで、総務省に聞きますが、このマスキングを掛けることは総務省が要望したんですか。
【阪本克彦 総務省政策総括審議官】 お答えいたします。
 統計委員会委員長に確認をいたしました。統計委員会の対応精査タスクフォースでは、個人間のメールなど、公表されていない資料や正式な資料ではないものなどをタスクフォースの報告書に添付すべきではないという意見もありました。一方、報告書において厳しい判断を行ったものについては、その判断根拠を示す必要があることから、タスクフォースとしてのぎりぎりの判断として、こういったぼかし処理を行ったものに注記をしたものを添付する、そういうことにしたということでございました。
【伊藤岳 参議院議員】 いや、総務省からもマスキングを要望したのですかと聞いたんですが、どうですか。
【阪本克彦 総務省政策総括審議官】  お答えいたします。
 基本的にはこのタスクフォースでお決めになったことではございます。その際、タスクフォースとして何らかのものをどうすれば添付をすることが可能となるかということで、ぼかし処理を行ったものにつきまして注記をする、そういったアイデアの提案を行ったのはタスクフォースの事務局を務めた総務省の職員であったと承知しております。
 ただ、いずれにしても、それを採用するか否かはタスクフォースにおいて判断されたものと承知しております。
【伊藤岳 参議院議員】 つまり、総務省の事務方も、マスキングという方法があるよということを示したってことですね。総務省もそういうことがあるよということを示したと。
【滝波宏文 理事】 阪本総括審議官、時間ですので簡潔にお答えをお願いします。
【阪本克彦 総務省政策総括審議官】
はい。
 お答えします。まさにそのタスクフォースとしてどうすれば何らかのものを添付することができるかというふうな議論をしている中で、そういうことが可能となるように技術的なアイデアの提案を行ったということでございます。
【伊藤岳 参議院議員】 時間なので終わりますが、とにかく公的統計の中立性及び信頼性が損なわれているのに、余りにも不誠実な調査の内容、答弁だと思います。引き続き当委員会で取り上げてまいります。
 ありがとうございました。