かんぽ不正報道 上田会長を注意
NHK経営委員会は9日、かんぽ生命保険の不正販売を告発した「クローズアップ現代+」に抗議した日本郵政グループに同調して2018年に上田良一会長(当時)を「厳重注意」した会議の議事録を日本共産党に開示しました。本村伸子衆院議員、伊藤岳参院議員が各総務委員会で公開を求めていました。
開示したのは10月9日、23日、11月13日の3回分。議事録では、現経営委員長の森下俊三氏(当時代行)が石原進経営委員長とともに会議を主導。森下氏は、取材方法について「極めて稚拙」と批判したほか、「彼ら(郵政側)が納得していないのは取材の内容だ」と郵政グループを代弁する発言もしました。放送法は番組に対する外部からの干渉を禁じています。上田氏は、経緯が明らかになれば「NHKとしては存亡の危機に立たされる」と懸念していました。
経営委は議事録について「非公表が前提だった」と開示を拒んできました。第三者機関であるNHK情報公開・個人情報保護審議委員会から全面開示の答申を2度にわたって受けたほか、6月には視聴者有志やNHK元職員ら104人から開示を求めて提訴されています。
経営委は「具体的な制作手法等について指示したものではない」と説明しました。
法に抵触明らか
本村伸子議員の話 NHKの信頼に関わる重大問題で、議事録開示を日本共産党として求めてきました。議事録に示された経営委員の発言が、放送番組の編集に干渉してはならないとされている放送法に抵触していることは明らかで、議事録を基にただしていきたい。
【2021年7月10日(土)付 しんぶん赤旗・写真=しんぶん赤旗】