議事録

2021年3月26日 総務委員会(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法)

【伊藤岳参議院議員】

 日本共産党の伊藤岳です。私の地元埼玉県でも四つの市町村が過疎地域に指定されており、この問題には関心を持ってまいりました。過疎法がより良いものになるよう、幾つか質問させていただきたいと思います。

 先日、埼玉県小鹿野町から実情や要望等を伺ってまいりました。テレビの難視聴地域への支援は有り難いが、病院が閉院になったり高等学校が廃校になってしまったら、過疎化が更に進むことになり心配をしている、支援を強めていただきたいなどの声が出されていました。それらも踏まえて伺いたいと思います。

 今日は、提案者の皆さん、どうもありがとうございます。本法案では、法律の名称を過疎地域の持続的発展の支援とし、前文を入れて、過疎地域における持続可能な地域社会の形成及び地域資源等を活用した地域活力の更なる向上としています。過疎地域が果たす役割と目指す姿など、本法案の趣旨を説明をしていただけますでしょうか。

 

【谷 公一衆議院総務委員長代理】

 五十年前の初めての過疎法から累次新法を作ってまいりましたが、初めて前文を記載させていただきました。その前文の中にもございますが、過疎地域の役割は、食料、水、エネルギーの供給を始めとする多面的機能により、国民の生活に豊かさと潤いを与え、国土の多様性を支えていると、そう認識しております。

 さらに、大規模な災害、感染症等による被害に関する危険の増大等の問題が深刻する中で、この過疎地域の担うべき役割は一層重要なものになると認識しているところでございます。一方、過疎地域においては、今委員御指摘のとおり、今なお大変厳しい状況があるというのも事実でございます。こういう中で、過疎地域は、近年における移住者の増加などの動きを加速させ、持続可能な地域社会の形成及び地域資源を活用した地域活力の更なる向上を目指す必要があると認識しているところでございます。今後とも、過疎地域の持続的発展に資する施策を総合的かつ計画的に推進してまいりたいと考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 過疎地域の指定要件は、市町村ごとに人口要件と財政力要件で判定されます。長期の人口減少率を判断するときの基準年については、今まで一九六〇年だったが、一九七五年にすることは本法案の大きな変更点の一つです。同時に、過疎指定から外れる自治体が出てしまい懸念の声が上がりましたが、このことに本法案はどう対応していますでしょうか。御説明をお願いします。

 

【山花郁夫衆議院総務委員長代理】

 長期の人口減少率の基準年については、これまでの過疎法では新法制定の都度、一九六〇年、昭和三十五年を用いてまいりました。先ほど片山委員から故事来歴について御紹介がございましたけれども、一九六〇年は地方圏からの人口流出がピークであった年であることから基準年として用い続けてまいりましたが、既に六十年が経過をいたしております。このため、今後の過疎対策を見据えて、長期の人口減少率の基準年を、一九六〇年、昭和三十五年から、これをピークとする人口圏からの人口流出が一旦収束した一九七五年、昭和五十年に見直すことといたしました。

 ただし、基準年の見直しは一九七〇年の過疎法制定以来初めてのことでございますので、十分な激変緩和措置を講じる必要がございます。このため、過疎対策事業に取り組んできた現行法の過疎地域については、基準年として一九六〇年も併用することといたしました。この結果、過疎地域については、一九七五年、昭和五十年を基準年とする要件、こちらと、一九六〇年、昭和三十五年を基準年とする要件のいずれかの要件を満たせば過疎地域となりますので、基準年の見直しに起因する影響はないものと考えております。なお、基準年の見直し以外の要因で過疎地域の要件を満たさなくなる卒業団体、これにつきましては、経過措置の期間を延長するとともに、経過措置の対象に新たに減価償却の特例等を追加いたしております。従来の措置と比べて相当手厚い措置を講じることといたしております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 既に過疎地域に指定されている自治体は二つの基準年、適用できるということですね。総務省に聞きます。市町村によっては、卒業団体となることで病院や診療所などの医療体制が縮小したり、学校や保育園などが廃止になるなど、住民の医療や福祉低下につながっては大変です。本法案は、激変緩和の措置も広げています。卒業団体の財政状況などをフォローし、意見、要望を聞く仕組みや支援を行っていく方法はあるんでしょうか。

 

【大村慎一官房地域力創造審議官】

 お答えいたします。いわゆる卒業団体に対しましては、先ほども御答弁いただいたように、本法律案においてより手厚い経過措置を講じていただいております。具体的には、経過措置の期間について、現行法では五年間であったところ、本法律案では原則六年間とするとともに、財政力が特に低い卒業団体については七年間とする等の拡充がされております。

 総務省としては、いわゆる卒業団体に対しましてこれらの経過措置の内容を周知させていただくとともに、卒業団体が作成する過疎計画を踏まえつつ、例えば地域おこし協力隊や集落支援員などの過疎法以外の支援措置の活動に関して助言するなど、きめ細かく丁寧なサポートを積極的に行ってまいりたいと考えております。また、本法律案においては、あわせて過疎計画の記載事項に目標や達成状況の評価に関する事項が追加されておりますので、これらも丁寧にフォローさせていただく中で、卒業団体の御意見等を伺ってまいりたいと考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 しっかりしたフォローをお願いしたいと思います。過疎対策事業債についてお聞きします。総務省、過疎対策事業債の対象に民間医療機関が追加されますが、自治体の病院、公立の病院はどうなんでしょうか。

 

【内藤尚志自治財政局長】

 お答え申し上げます。現行の過疎地域自立促進特別措置法第十二条第一項第十七号において、過疎対策事業債の対象といたしまして診療施設が規定されているところでございまして、公立病院は現在も対象となっているところでございます。また、本法律案にも、第十四条第一項第十七号に規定されているところでございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 公立病院、本当に大きな役割を果たしています。小鹿野町には町立病院があります。保健師が町から常駐で派遣されていて、病院を核とした保健、医療、福祉が一体となった地域包括ケアシステムが取り入れられていて、健康長寿の町づくりに大きな役割を果たしていますし、町民からも評判の病院です。小鹿野町の一人当たりの医療費は約七十万、埼玉県の平均が八十四万円ですから、何と約十四万円以上も低くなっております。町長はこうしたところに手厚い保護、財政支援等をしていただきたいと要望しております。過疎地域の自治体への取組に応えて対応していっていただきたいと思うんです。

 提案者の方にもう一問お聞きします。過疎対策事業債があっても、来てくれる医師や看護師がいない現状があると思います。過疎地域への医師、看護師確保の仕組みについてはどのような議論があったのでしょうか、教えていただきたいと思います。

 

【武部新衆議院総務委員長代理】

 過疎地域におきまして、医師、看護師等の医療人材の確保は大変重要な課題だと認識しております。新過疎法制定に当たりまして自民党で実施いたしました市町村長からのヒアリングにおきましても、多くの市町村から地域医療の確保への支援の充実を求める意見がたくさんございました。

 このため、本法律案におきましては、医療の確保について配慮規定を追加しております。都道府県は、医療計画を作成するに当たっては、過疎地域において医師等の確保などについて適切な配慮をすること、もう一つは、国及び地方公共団体は、過疎地域において必要な医師等の確保などにより医療の充実が図れるよう適切な配慮をすることとしたところでございまして、これまで六項目から、医療関係については八項目に増やさせていただきました。

 提案者としては、この配慮規定を踏まえて、過疎地域における医師等の確保に向けた政府及び地方公共団体の取組に期待したいと思っております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 ありがとうございます。小鹿野町でも、診療ニーズがあっても医師の確保ができず、患者を受け入れられない実情もあるという話も聞きました。過疎地域の自治体の実態を踏まえて過疎法を適用、運用することを求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。