議事録

2021年3月22日 総務委員会(総務省接待問題)

【伊藤岳参議院議員】

 日本共産党の伊藤岳です。東北新社の外資規制違反をめぐる経緯について、先週十五、十六日、中島社長が国会に参考人として出席され、経緯の一端をお話しされました。

 十六日の総務委員会で私が確認を求めていた件についてお聞きします。総務省、井幡晃三情報流通行政局衛星・地域放送課長、当時、の二〇一七年八月九日頃の休暇の状況等について確認を求めていました。七日から十一日は出勤していたとのことでしたが、四、五、六のこの三日間の出勤状況など、どうでしたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 出勤簿並びに本人にも確認いたしましたところ、八月四日金曜日は出勤しており、五日、六日は閉庁日でございます。また、七から十は出勤しており、十一は祝日でございます。(発言する者あり)四日は最初に答えました。四日、繰り返します。八月四日金曜日は出勤してございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 東北新社木田由紀夫執行役員、当時、が東北新社の外資規制違反について井幡課長に電話を入れたのはいつだったのかについて、事実関係確認されましたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 お答えいたします。当時の衛星・地域放送課長に電話した日を東北新社側に確認しましたところ、八月七日に井幡課長に電話をしたとのことですとの回答がありました。

 この点、八月七日は当該課長は出勤しており、先日、東北新社の中島社長が井幡課長は休暇中であったと説明した点と矛盾していると考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 今の、木田氏は電話入れたのは八月七日月曜日ということですね。これ、新しい証言が出ました。では、この証言は東北新社の誰から聞いて、総務省の誰が確認をしたんでしょうか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 本件につきましては、情報流通行政局の総務課から東北新社の窓口を通じて日頃からやり取りをしております。で、東北新社の窓口の方から、その関係者から、社内で関係者からヒアリングをして確認した事項について当方に回答があったという次第でございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 では、その木田氏が電話を入れたというのはどの電話に入れたのでしょうか。情報流通行政局衛星・地域放送課の直通電話なのか、代表電話なのか、若しくは携帯電話なのか、確かめていますか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 その点につきましては、東北新社側にまだ確認はしておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 電話を入れたのは八月七日の何時頃か確認をしていますか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 時間についても確認をしておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 お聞きしますが、情報流通行政局衛星・地域放送課の直通電話に掛けた場合、相手方の電話番号が表示されたり残ったりしますか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 いわゆる電話機のところに相手方の電話が通知されている場合はその場で表示される機能はございますけれども、技術的にそれが残る状況かどうかについては承知しておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 是非、八月七日の履歴が調べられるのかどうか、確認をしていただきたいと思います。井幡課長が東北新社側からの電話を受けていたのかどうかについては、本人には確認を求めているんでしょうか、確認したんでしょうか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 お答えいたします。東北新社が総務省に相談したとしていることについて、当時の衛星・地域放送課長に確認したところ、電話で外資規制の話を受けた事実に関する記憶はないということでございました。

 

【伊藤岳参議院議員】

 そうしたら、木田氏は七日に電話を入れたというのは誰と話したんでしょうか。情報流通行政局衛星・地域放送課の二〇一七年八月七日の在勤の職員は一体何名だったのか、その全員に東北新社側からの電話を受けていたのかどうかについて確認をする必要があると思います。確かめましたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 東北新社側からは、木田氏から当時の衛星・地域放送課長に連絡を、電話をしたということでございますので、そのした相手とされている衛星・地域放送課長に確認をした次第でございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いや、だから食い違っているんですよ、東北新社側の言い分と総務省側の言い分が。そして、今お聞きした範囲では、総務省はつぶさに調べていないと思います。東北新社中島社長の予算委員会での答弁を私聞いていますと、外資規制違反を何とか免れようと必死だった様子がうかがえます。井幡課長への電話とか鈴木課長との面談とか、その面談の席で子会社に事業承継したいと相談したとか、いろいろ話をされました。東北新社の側に作り話をしなければならない理由はないと思うんです。

 これ、私、率直な疑問です。総務省はなぜつぶさに調査し、確認をしないのか。先ほど来私が聞いていることは、省内、課内で確認できるはずです。確認をすれば、東北新社側からの電話はなかったのではないかと明確に言えるはずじゃないですか。やる気と真剣さが問われていると私は思いますよ。

 総務省、鈴木信也情報流通行政局総務課長、当時、の応接録の存在について確認を求めていましたが、確認をしていただけましたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 お答えいたします。当時の情報流通行政局の総務課長に確認をしたところ、外資規制に抵触する可能性がある旨の報告を東北新社から受けた事実に関する記憶はない、メール、電話、メモや応接記録もないとのことでございました。

 

【伊藤岳参議院議員】

 こうなりますと、井幡晃三氏と木田由紀夫氏を当委員会に招致をして、鈴木信也氏も交えて審議するしか真相を究明する方法はないと私は思うんです。委員長、当委員会に井幡晃三氏と木田由紀夫氏を招致して審議を行うことを求めたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。

 

【浜田昌良総務委員長】

 後刻理事会で協議します。

 

【伊藤岳参議院議員】

 国民の皆さんから疑念を招くような会食に応じたことはありませんと繰り返し答弁されてきた武田大臣が、週刊誌報道が出た途端に、NTT 澤田社長らとの会食をお認めになりました。私も、本会議、委員会と、NTTとの会食の有無を問い、お誘いを受けたこともないのかとも聞いてきました。大臣、真実を語ることに余りにも不誠実な態度だったと私は思います。

 大臣、会合と会合の合間の短時間でとかビールを数杯だけ飲んだと予算委員会で答弁されましたが、その会合とはどのような会合だったんですか。また、公務だったんでしょうか。

 

【武田良太総務大臣】

 個別の一つ一つの件についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、例の報道につきましては、私の方には事実関係の確認は一切ないままに一方的に報道されたわけでありまして、私自身も事実関係を明らかにしなければならないと、このように思って、その上でお答えさせていただきたいと思っていますけれども。報道では、あたかもNTTと私の会食というふうな書かれ方をしていましたけど、そう読まれるような、全く別の趣旨の会合、複数人による会合の中にNTTの方がおられたということであります。

 それで、会合と会合の間であったとか、何を飲んだとかいうことを何で言ったんだと。それ、事実だからです。事実だから私は言っただけの話で、それ以上、それ以下ではありません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いや、その会合が公務だったかどうかを聞いているんですが、どうですか。

 

【武田良太総務大臣】

 政務です。

 

【伊藤岳参議院議員】

 分かりました。葛西JR東海の名誉会長からメールでお誘いを受けたと、大臣、予算委員会で答弁されましたが、じゃ、そのメールには、会合の合間を縫って駆け付けようと思うような何かが書かれていたんですかね。どのように書かれていたのか、その会食の目的はどう大臣受け止められたんでしょうか。

 

【武田良太総務大臣】

 記載事項につきましては、日時とお店の名前と地図、そして葛西名誉会長、予約名のみと聞いております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 忙しい政務の合間を縫って駆け付けるという、そのことが私、全く見えないんですね。葛西氏とのメールのやり取りの内容を当委員会に示していただけないでしょうか、大臣。

 

【武田良太総務大臣】

 確認いたします。

 

【伊藤岳参議院議員】

 会合の合間を縫ってまでしてなぜ会食に応じられたのか、会食の目的は何だったのか、これを究明されなければ、国民の皆さんの疑念は、大臣、笑っていますけど、疑念は解けませんよ。是非しっかり説明をしていただきたいと思うんです。

大臣、もう一問聞きます。二〇二〇年十一月十一日のこの会食以外に、NTT関係者との会食はほかにはありましたか。

 

【武田良太総務大臣】

 個別の件に関してはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 他の携帯電話事業者との会食はありましたか。

 

【武田良太総務大臣】

 個別の件に関しましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 そうなりますと、NTTとだけの会食は今明確になったということであります。NTTの参加者がいた会食には参加したということだけは明確になったということですね。そのNTTは総務省政務三役と頻繁に会食をしていたと週刊誌が報じています。十五人の大臣、副大臣、政務官経験者への接待は、二〇一五年から一七年までが計十回なのに対して、一八年から二〇年までが計二十六回と三倍近くになり、この三年間に集中しています。

 この三年間に一体何があったか。一八年には、当時官房長官だった菅総理が、携帯電話料金値下げを、四割下げる余地があると、競争が働いていないと発言をしました。二〇年九月にはNTTがドコモ完全子会社化を発表し、十一月には約四・三兆円を投じたTOB、株式公開買い付けを成し遂げた。子会社化してTOBを成し遂げれば、外部への株式配当分は会社の利益として入り込むことになります。こうして経営の基盤を整備した後、十二月には格安料金プラン、ahamoが発表されます。

 今回、武田大臣が出席したというこの会食、NTT 田社長らとのこの会食は、このど真ん中で行われていました。二〇年十一月十一日といえば、TOBの真っ最中で、携帯格安料金が具体的になる時期だった。ちょうどその時期に、携帯料金値下げを看板政策に掲げる菅政権の総務大臣と携帯料金値下げに関わる事業者、NTTと会食していた。

 大臣、こうしたことによって総務行政の公正さに疑念が募っているんではないですか。行政がゆがめられたのではないかという大問題だと認識すべきではないでしょうか。

 

【武田良太総務大臣】

 NTTドコモの完全子会社については、法令上、総務省の許認可が必要となるものではありません。あくまでもNTT側の経営判断において実施することが可能となっているものであります。

 

【伊藤岳参議院議員】

 ですから、私言っているのは、携帯料金値下げを看板に掲げる政策、政策の看板に掲げるその総務大臣とその携帯電話の事業者が会うこと自身が総務行政の公正さに疑念が募っているんだというふうに聞いているんです。

 

【武田良太総務大臣】

 携帯電話料金についても、その料金を設定するのは各社の経営判断なんです。私が幾らにしろ、どうしろなんというのは全然権限ないんですね、民間業者ですし。あくまでもそれぞれの経営判断に基づく料金設定であることを御理解いただきたいと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 大臣も携帯電話事業者と会うべきではないと言っていました。でも、会ったんです。引き続き、委員会でこの問題は追及させていただきたいと思います。時間の関係で幾つかの質問は次回に回します。ありがとうございます。