議事録

2021年3月16日 総務委員会 大臣所信質疑(総務省接待問題)

【伊藤岳参議院議員】

 日本共産党の伊藤岳です。外資比率を偽って申請したことにより、東北新社の子会社、東北新社メディアサービスが認定取消しとなる問題で、昨日の参議院予算委員会、本日の衆議院予算委員会と議論が交わされました。

 東北新社中島社長は、外資比率が二〇%を超えていたことについて、二〇一七年八月九日頃に、木田由紀夫氏執行役員当時が鈴木信也情報流通行政局総務課長当時に報告したと言われました。鈴木参考人、面談し報告を受けたという記憶は戻られましたか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。二〇一七年八月当時、情報流通行政局総務課長を務めておりましたが、外資規制に抵触する可能性がある旨の報告を東北新社から受けた事実に関する記憶はございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 午前中の審議で、鈴木参考人は、課長就任当初でたくさんの方から御挨拶をいただいて記憶にないと言われましたが、木田氏、また菅正剛氏とは何回も会っていた仲だとも言われていました。記憶にないは通用しないのではないですか。木田氏、菅氏は、就任の挨拶に来られましたか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。二〇一七年八月頃に木田氏、菅氏と会ったかどうかにつきましては、私自身、当時、情報流通行政局総務課長へ異動した直後でございまして、多くの方々が御挨拶に来られていましたので、木田氏、菅氏も御挨拶に来られていたかもしれませんが、外資規制違反のような重要な話を聞いていたならば覚えているはずでございますので、そのような報告を受けた記憶はございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 何回も会っていた仲なんでしょう。挨拶に来たかどうかも分かりませんか。もう一度答えてください。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。私自身、二〇一三年に情報流通行政局衛星・地域放送課長に着任いたしまして、その後、挨拶ですとか、あるいは業界団体の賀詞交歓会などで、挨拶程度でお目にかかっていたということでございます。そういった重要な報告をこの時期に東北新社様から受けたという事実に関する記憶はございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 まだその重要な報告を受けた話はしてないんですよ。また聞きます。木田氏とはいつ頃知り合いましたか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。情報流通行政局衛星・地域放送課に二〇一三年の夏に課長として着任いたしましたので、二〇一三年から二〇一六年まで衛星・地域放送課長を務めておりました。その間に、木田氏とは、先ほども申し上げました、賀詞交歓会等の場で御挨拶をいただいていたと記憶しております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 菅正剛氏とはいつ知り合いましたか。また、菅正剛氏が総理の長男と知ったのはいつですか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。先ほど申し上げました木田氏と同様に、菅氏につきましても、私が衛星・地域放送課長在任中に御挨拶に来られたり、賀詞交歓会等でお会いしておりますので、存じ上げております。その当時から官房長官の御子息であるということは知っておりました。

 

【伊藤岳参議院議員】

 菅正剛氏が大臣秘書官だったときに、鈴木参考人、大臣官房にいらっしゃいましたよね。そのときには御面識はありませんでしたか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。私自身は、その当時は余り面識はなかったのではないかと記憶しております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 余り面識ないということは、面識はあったということですか。認識はしていた、話はしたことがあった。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 政務の秘書官で菅氏がいらっしゃるということは職員として承知しておりましたが、そういったお話をしたとか、そういった関係にはなかったと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 二〇一三年頃知り合ったというあなたのことを信用するとすると、その後、木田氏や菅氏とは会食を共にしたことはありますか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。業界の賀詞交歓会や立食のパーティーなどでは会食をしたことはありますけれども、そういった個別の会食というのは一切ございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 これ、不思議なんですよね。何回も会ったことがあると言われた木田氏、菅氏、そして、わざわざですよ、東北新社の中島社長があなたに面談をしたと指定してくるあなたが、東北新社からの会食リストにあなたの名前一回も出てこないんです。あなただけ外されたんでしょうか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。どういう事情かは私自身は承知しておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 大臣、鈴木信也氏の会食も徹底的に調べていただけますか。

 

【武田良太総務大臣】

 先ほどから答弁していますように、明日、そうした委員会が立ち上がるわけでありまして、そうした御指摘もしっかりと報告をしておきたいと、このように考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いずれにしても、何回か会っていた。外資比率の話に関わる話は聞いたことありますか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。外資比率に関する話、外資規制に抵触する可能性がある旨の報告を東北新社から受けた事実に関する記憶はございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 東北新社の中島社長は、井幡課長がお休みだったから鈴木課長に面談したとも、かなり具体的に詳細に語られました。この件、調べて確認しましたか、鈴木参考人。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。私自身が、夏休みだったからとかなんとかという話はよく承知しておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いやいや、あのね、中島社長が、井幡社長がお休みだったから鈴木課長、あなたに面談したと言われたんですよ。そんな重要なこと言われたのに、午前中から随分時間たっているのに調べもしていないんですか。井幡課長に聞けばいいじゃないですか。聞いていないんですか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。聞いておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 そういうことだから記憶が戻らないんですよ。こんな重大な証言があるんだからすぐ聞くべきじゃないですか。私だったらそうしますよ。私、そんな疑われることしませんけれども。武田大臣、この井幡課長について、この東北新社の中島社長の証言について確認をしていただきたい、若しくは指示をしていただきたいと思いますが、どうですか。

 

【武田良太総務大臣】

 あしたいよいよ立ち上がることになった検証委員会の場で、両氏双方のそごの部分については特にしっかりと調査を進めていただき、事実関係をしっかりと示していただくよう私の方から強くお願いを申し上げたいと、このように考えています。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いずれにしても、今の段階では、鈴木参考人の面談があったのかどうかというのは否定できない状況にあると思います。この問題の非常に勘どころでありますので、大臣、しっかり調査をお願いしてほしいと思います。スガ官房長、スガ官房長は井幡課長の休暇状況について、(発言者あり)あっ、ごめんなさい、失礼しました。原官房長、井幡課長の休暇状況についてはもう既に聞きましたか。

 

【原邦彰総務大臣官房長】

 まだ聞いておりませんが、調べてみたいと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 省内にいるんでしょうから、五分もあれば聞けることだと思います。直ちに聞いてもらいたい。遅いと思いますよ。その際に、東北新社の中島社長が八月四日に外資規制に違反していることに気付いた。これ、カレンダー調べてみましたら、二〇一七年の八月四日というのは金曜日なんですよ。もしこの重大な違反に気付いたら、土日省庁閉まるから、金曜日のうちに電話をしたんじゃないかと思います、井幡課長にね。その井幡課長に金曜日お休みでつながらなかったのかどうか。いや、これは大変だと思って、土日、井幡課長の携帯電話を掛けたのかどうか。いつまで大体、井幡課長が休暇でつながらなかったのか。井幡課長から鈴木参考人に、今休暇だからおまえ頼むよという連絡があったのかどうか。そして、鈴木参考人が面談したのであれば、その後、井幡課長には報告があったのかどうか。是非こういったものをしっかり、官房長、調べていただきたい。どうですか。

 

【原邦彰総務大臣官房長】

  調べてみたいと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 官房長、課長が面談する際には、普通単独で会うんですか、また誰か同席者がいるんですか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 原局の業務でございますので、私の方から申し上げさせていただきます。それは個々様々でございまして、単独で会う場合もあると思いますし、部下を同席させる場合もあるかと存じます。それは打合せによって様々なケースがあるかと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 先ほど芳賀議員の質問の際も聞かれていましたけれども、その課長の面談の際、普通、応接録というものは取るものなんですか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 それも事案事案に応じてという、作る場合もあるでしょうし、作らない場合もあるのかと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 その事案事案とはどういうことでしょうか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 ちょっと余り一般的に、普遍的にどういう場合が作って、どういう場合が作らないということを申し上げることは少し難しいかと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 普通、課長ならば応接録があるものなんですか、一般論として。応接した記録ですよ、面談した内容を書いている記録。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 済みません、普通あるかどうかとおっしゃられると、やはりケース・バイ・ケースとしか申し上げられないと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 私、日頃、総務省の官僚の方々と国会議員としてお付き合いさせていただきますけど、課長が面談するときに同席者がいないことがあるとか記録を取っていないとかって普通、私、考えられないと思うんですけれども。もう一度答えてください。どうですか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 済みません、これも、この内容、人、その状況となると様々なことによると思います。やはりケース・バイ・ケースとしか、作る場合もある、同席する場合もあるでしょうが、作らない場合あるいは誰も同席しないで一人で会う場合もそんなまれなことではないとは思っております。

 

【伊藤岳参議院議員】

それでは、先ほど大臣が調査進めていただくという話でしたので、是非、同席した方がいたのかどうか、いた場合には聞き取りもしていただきたい。そして、応接録があれば当委員会に提出を求めたい。どうでしょうか、局長。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 大臣からも御答弁ありましたとおり、具体的な検証内容、方法については、客観的かつ公正に検証いただけるよう委員会で御審議いただくことになりますので、様々な、今の点も含め様々な御指摘について委員会に御報告の上、御審議いただくことになると考えております。総務省としても、委員会による検証作業に対して万全の協力を行ってまいります。

 

【伊藤岳参議院議員】

 もし、鈴木課長、当時、鈴木参考人が面談をしていないんだとしたら、東北新社の外資規制違反、これがどのように対応されたのだろうかという疑問が残ります。

 今日、資料をお配りしました。御覧いただきたいと思います。真ん中辺り、二〇一七年一月二十四日に東北新社がBS4K放送事業者にこれ大臣認定をされる。そして、三月三十一日の時点で外資比率二一・二三%、これ、有価証券報告書でオーバーしている、二〇%を超えているということがこの三月三十一日の時点で確認をされているわけですね。鈴木参考人にもう一度聞きます。鈴木参考人は、この有価証券報告書について当時の肩書上チェックする立場にはありましたか。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。私は、当時、情報流通行政局総務課長でございまして、そういった審査手続につきましては情報流通行政局衛星・地域放送課において行われていたものと承知しております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 局長にも確認をいたします。この有価証券報告書は、今の地域放送課ですか、が確認していたはずだという話が鈴木参考人からありましたけれども、この有価証券報告書というのは一体どの部署とどういう方がチェックするものなんでしょうか、教えてください。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 有価証券報告書自体は、この公開された株式の状況を株式市場あるいは投資家に報告するものだと思っておりますが、少なくとも私ども、この認定のときのプロセスもそうでございますが、定期的にその外資の状況をチェックする仕組みということがございませんでした。そういうことから、有価証券報告書をチェックし、外資状況をチェックするというようなプロセスは踏んでいなかったということでございます。

 ただ、こうした事態を二度と起こさないよう、例えばその認定の申請時及び認定後におきましても定期的に外資比率の数値とその裏付けとなる資料を求めるなど、この外資規制を今後きちんと遵守いただけるような審査体制の強化ということを検討してまいりたいと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 先ほど鈴木参考人が、井幡課長のところで見ていたはずだという話がありましたが、それは見ているんですね。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

  済みません、もし私の理解があれでしたらなんですが、そういうものを見るとすれば衛星・地域放送課長において見るということになるという答弁を先ほど電波部長の方はしたのではないかと私は理解しておりました。

 

【伊藤岳参議院議員】

 鈴木参考人、じゃ、もう一度答えてください。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。私、先ほど答弁させていただきましたのは、有価証券報告書を見ているかどうかということではございませんで、その担当課はどこかということだけをお答え申し上げたつもりでございました。また、先ほど二〇一七年の三月時点ということでお尋ねいただいていたとしますと、私自身、済みません、先ほどへの御答弁で情報流通行政局総務課長と申し上げましたが、三月の時点ですと、その前の別の課で放送政策課長をいたしておりましたので、訂正しておわびさせていただきます。申し訳ございませんでした。

 

【伊藤岳参議院議員】

 いや、鈴木参考人、もう一度お伺いします。地域衛星課が有価証券報告書を担当する課なんですね。

 

【鈴木信也総合通信基盤局電波部長】

 お答え申し上げます。有価証券報告書を見るかどうかということを私は申し上げたつもりはございません。衛星放送事業の認可関係については衛星・地域放送課が担当しているという意味で申し上げた次第でございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 そうすると、吉田局長に聞きたいんですが、この有価証券報告書の見過ごしは、井幡課長のところに責任の所在はあるということになりますか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 これまでは、仕組みとして、有価証券報告書をチェックするという仕組みにはなってございませんでした。いずれにいたしましても、こういう事態を二度と起こさないよう、認定後も定期的に外資比率の数値とその裏付けとなる資料を求めるなど、総務省における審査体制の強化についても検討してまいりたいと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 どうもしっくりしませんね。有価証券報告書、こういうのをやっぱり見るとしたら井幡さんのところだということですね、見るとしたらね。そのところでこんな重大なことが見過ごされていた。本当大変なことだと思います。そもそも、局長にもう一度聞きますが、過去に有価証券報告書を見過ごした事例ってありましたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 済みません。大変申し訳ございません。有価証券報告書を見過ごした事例というのがちょっと理解できなかったので、申し訳ございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 過去に今回のような例がありましたかと、有価証券報告書で外資比率が二〇%を超えていたというようなことなどのミスはありましたか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 外資比率が二〇%を超え、二〇%以上であるとして、事後に分かったという事例は承知しておりません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 だから、有価証券報告書の外資比率が超えていることを見過ごすなんということはほとんどあり得ないことでしょう。絶対と言っていいほどあり得ないことだと思いますよ、こんなことは。何かありますか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 委員御存じの有価証券報告書は、何というんですか、事業者から私どもに提出される書類ではございませんので、オープンな資料ではございますけれども、そういう意味で、これまで有価証券報告書をチェックするという仕組みにはなってございませんでした。したがいまして、先ほどから申し上げているとおり、認定後も定期的に確認できるような仕組みというのを、きちんと体制を強化していきたいということでございます。これまではこういうものをチェックしていなかったということでございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 それでは、秋本芳徳参考人にお聞きします。この有価証券報告書が提出された時期に東北新社側との会食はありましたか。

 

【秋本芳徳総務省大臣官房付】

 お答えいたします。委員がまさにお配りいただいた資料に示されておりますとおり、二〇一六年から一七年にかけて三回、東北新社と会食の機会を持っております。当時、私は総合通信基盤局総務課で勤務しておりました。

 

【伊藤岳参議院議員】

 資料を使っていただけてありがとうございます。まさに二〇一七年三月三十一日に有価証券報告書が明らかになって、五月二十六日に木田氏を含めて一人当たり二万三千七百五十円の会食をされていると、木田氏も同席をしていたということですね。これ当然、外資比率について聞いたんじゃないですか。

 

【秋本芳徳総務省大臣官房付】

 外資比率についての話が出たという記憶はございません。また、特に、二〇一七年五月二十六日の会食の際は、東北新社以外の方一名参加しておりまして、およそ東北新社の社内事情というふうな話が出るような環境でもなかったと記憶しております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 東北新社以外の方が参加したことは覚えていて、外資比率のことは出たかどうだか覚えていないんですか。

 

【秋本芳徳総務省大臣官房付】

 東北新社と確認、これまでに確認されている限りで七回、会食の機会を持っております。私の記憶する限り、その七回の会合を通じて外資規制の話が出た記憶はございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 秋本参考人、昨日来、東北新社の中島社長の発言聞かれたと思います。社長は、外資比率について認定を受けられるかどうか、もうかなりかなり心配していたんだという発言していましたよね。その話、秋本参考人も聞かれたと思います。外資比率の話は当然出るんじゃないでしょうか。先ほど芳賀議員の答弁の中で、本年三月に入るまで総務省としては分からなかったと、外資比率違反が。こういうことというのは、秋本参考人、あるんでしょうか。どう思いますか。

 そして、これ、もし三月に入るまで分からないんだということであれば、東北新社側がうそをついていると思われですか、どうですか。

 

【秋本芳徳総務省大臣官房付】

 お答えいたします。当時、私は総合通信基盤局の総務課で勤務をしておりまして、放送法の認定に関わる事務に従事しておりませんので、外資規制云々という話について、出た記憶もございませんし、仮に出たといたしましても、私の関知するところではないというふうに認識をしております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 中島東北新社社長は、昨日、鈴木課長当時に報告した席で、子会社に事業継承したいと相談したとも発言されました。総務省に聞きます。外資比率が二〇%を超えていない子会社に事業継承すれば外資規制違反は免れることになるんですか。それはどのような理由によってそうなるんですか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 外資規制に違反していた状況が、その当時、違反、違反していた状況があるということについては変わりないかと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 免れることになるんですか、どうか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 その承継が、事業の承継が行われた後の事業者というのは外資規制に違反していない状況になると思いますが、過去において外資規制に違反していた状況というのは当然残るということになるかと存じます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 分かりました。事業継承された側は免れるということですね。このような対策というのを東北新社のような一事業者が思い付くような策なんでしょうか。

 

【吉田博史情報流通行政局長】

 昨日、中島社長がそのようにおっしゃっていたのではないかと思います。

 

【伊藤岳参議院議員】

 私は、一事業者が思い付くようなものだとは思いませんでした、話を聞いて。資料にもありますように、その後、同年九月一日に東北新社メディアサービス、子会社が設立される。そして、同年十月十三日には東北新社から東北新社メディアサービスへの事業継承が総務大臣に認可をされます。外資比率については、放送法九十三条一項の規定により、衛星基幹放送の法の認定の際、事業継承の際だとか、更新の際、放送事項の変更の際などに総務大臣から認定を受けなければならないとなっていますが、吉田眞人参考人にお聞きします。東北新社メディアサービスへの事業継承される時期に東北新社側との会食はありましたか。

 

【吉田眞人総務審議官】

 事業承継が行われましたのが二〇一七年の十月でございます、十月十三日でございますが、その後、十月十八日に東北新社の木田氏と懇親の機会を持っております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 資料の一番最後の欄に書いてあるとおりです。十月十八日、木田氏も同席をしていました。事業継承の認定が受けられた直後の会食です。社長が言うように、受けられるかどうか本当に冷や冷やしていた時期の後の会食です。当然、事業継承で、外資比率の話は出たと思いますが、どうですか。

 

【吉田眞人総務審議官】

 お答え申し上げます。当該会合につきましては、懇親会という位置付けで会食の誘いに応じたものでございますけれども、その相手方から事業承継に関する話題が出されたということは全く記憶にはございません。

 

【伊藤岳参議院議員】

 疑念は晴れません。疑念は強まるばかりです。東北新社側からの外資比率や子会社への事業継承の報告、相談を総務省の誰かが聞き、受け入れていた可能性は大きいと思います。そして、むしろ総務省側から指南していた可能性も否定できないと思います。

 武田大臣、外資規制違反が事実上五か月以上余りも放置されたのは間違いありません。この認識はありますか。また、事の重大性についてどのように受け止めておられますか。

 

【武田良太総務大臣】

 これは、我が国の安全保障にも関わる重要な問題であって、とてもとても看過できる問題ではないと私は重く受けておるところであります。ですから、先ほども御指摘ありましたように、あした、いよいよ調査委員会が立ち上がるわけであって、双方様々な点でそごが見受けられるわけであって、慎重な、そして、しっかりとした調査でもって事実関係を積み上げていただいて、それをしっかりと我々に公表していただきたい、このようなことを期待していきたいと考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 総務省が認定等で持っている権限については相当大きいものがあります。NTTからの高額接待によって総務行政がゆがめられたのではないかを検証する際には、会食したとされる総務省幹部官僚五人、山田、巻口、谷脇、秋本、鈴木の各氏が関わったNTT法が規定する認定決裁の文書は、一番のその基礎的な資料になると思います。各五年間分の決裁文書を提出してほしいと思います。既に参議院予算委員会で我が党の山添議員が同様の要求をしていますが、どこまで進んでいますか。

 

【原邦彰総務大臣官房長】

 お答えいたします。本年三月五日の参議院予算委員会において、山添拓議員から、NTTに関する質疑において、会食の参加者が加わった五年分の決裁文書の提出の求めがあり、理事会における協議事項となったものと承知しております。対象が特定、いろいろ膨大な書類もありますし、それから情報公開法の精査もございます。現在、総務省において、理事会における協議の状況を踏まえ、速やかに対応できるよう所要の準備を進めております。

 なお、今御指摘のありました秋本大臣官房付も新たにNTT関連の事象が認められましたので、対象に加えて検討したいと、このように思っております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 新谷正義副大臣、NTT幹部からの会食の誘いを受け、了解をしていた。また、秘書が会食していた。会食は問題だと認識して断ったようですが、携帯料金値下げなどを担当する副大臣でもあります。会食することはもちろんですが、会食の誘いを受けてしまうこと自身が規範に触れるのではありませんか。

 

【新谷正義副大臣】

 本来ならば、個々の事案に関してはこれはお答えするのは控えさせていただきたいところでもございますが、今回このような報道をされたということもございまして、秘書が会食に行ったというのはおおむね事実だと、そのように報告を受けているところでございます。私は本当にその場でお断りをした次第でございます。

 

【伊藤岳参議院議員】

 武田大臣、直属の副大臣ですから、新谷氏のメールも含めて調査すべきではないか、その結果を明らかにしてほしいと思います。また、野田聖子、高市大臣と二代連続して大臣がNTTと会食をしています。武田大臣だけ外されるということがあるのでしょうか。会食のお誘いすらありませんでしたか。

 

【武田良太総務大臣】

 一つ一つの個別の事案についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、新谷副大臣もそうなんですけれども、国民の疑念を招くような会合、これに応じることはございません。今後とも自ら律しながら総務省挙げて信頼回復に努めていきたいと、このように考えております。

 

【伊藤岳参議院議員】

 これ、かんぽの総括ができていないことが響いていると思います。今日、出席いただけませんでしたけれども、谷脇さんはかんぽの漏えいの事件と同じ時期にNTTや東北新社と接待を繰り返していたということも明らかになりました。高市前大臣はかんぽの処分を発表する記者会見のその夜にNTTと会食していたんですよ。一体、かんぽ情報漏えい問題をどう総括しているかというのが問われていると思います。引き続き追及をしていきたいと思います。ありがとうございました。